古来より、内気さや消極性というのは否定的な意味合いで捉えられ、コミュニティ内で忌避されたり訓練による解消を促されたりしてきました。しかしインターネットが発展した今、人々が随意的もしくは不随意的に生活の中で関わりを持つコミュニティの数やメディアコンテンツの量が増大しており、現代人はいついかなる時、どんな対象においても積極的であることはもはや難しくなってきています。あなたも気乗りのしない会合参加や、疲れている時に端末に届くメッセージへの対応に辟易することはありませんか?
ゲームも例外ではありません。次々と実装されるサービスが告知され、それを広めるためにSNSを活用し、友達の多いユーザがより活躍して友達を増やす……そんな状態に疲れてしまうユーザも数多く存在します。
今や消極性は誰の中にもあると言えるかもしれません。我々は消極性を改善すべきスキルではなく、食べ物の嗜好などと同様に、ある対象に関する個人の一つの属性あるいは過渡的かつ反復的な状態と捉え、積極性や消極性に左右されずに多様な人々が共存できる社会を目指し、それを支援する研究活動および社会提言を行っているのが我々消極性研究会です。
本セッションでは「消極的な人々」のためのシステムではなく、万人に取って便利であるため消極的なユーザでも憶せず、遠慮せずに使う事の出来る仕組みやそういったものをデザインするための知見について具体的な例を挙げ、解説していきます。
講演者プロフィール
栗原一貴
物議を醸すシステム開発を得意とする情報科学者。 2012 Ig Nobel Prize winner.
http://unryu.org
《講演者からのメッセージ》
「SIGSHY:消極性研究会」について紹介させてください。
Website: https://sites.google.com/site/sigshy0/home
古来より、内気さや消極性というのは否定的な意味合いで捉えられ、コミュニティ内で忌避されたり訓練による解消を促されたりしてきました。しかしインターネットが発展した今、人々が随意的もしくは不随意的に生活の中で関わりを持つコミュニティの数やメディアコンテンツの量が増大しており、現代人はいついかなる時、どんな対象においても積極的であることはもはや難しくなってきています。あなたも気乗りのしない会合参加や、疲れている時に端末に届くメッセージへの対応に辟易することはありませんか?今や消極性は誰の中にもあると言えるかもしれません。我々は消極性を改善すべきスキルではなく、食べ物の嗜好などと同様に、ある対象に関する個人の一つの属性あるいは過渡的かつ反復的な状態と捉え、積極性や消極性に左右されずに多様な人々が共存できる社会を目指し、それを支援する研究活動および社会提言をしていきたいと思っています。
簗瀬洋平
Unity Technologies Japan クリエイティブ・ストラテジスト
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科付属KMD研究所リサーチャー
超人スポーツ委員
1995年よりシナリオライター、ゲームデザイナーとして「ラングリッサー」「グローランサー」シリーズや「ワンダと巨像」「Folks Soul失われた伝承」「魔人と失われた王国」などのゲーム開発に携わる。
2012年より研究者として「StratoJump」「誰でも神プレイできるシューティングゲーム」などインタラクティブシステム、コンテンツを通じて主観的体験に関する研究を行っている。
《講演者からのメッセージ》
学術の世界では論文を書く際に過去の研究事例を引用し、すでに実証された事に対して自分の成果を付け加えていきます。これを「巨人の肩に乗る」と表現します。ゲーム開発において引用はほぼありませんが、実際は過去積み上げられてきたゲームのコンテキストに乗って成立しています。CEDECは多くの方が集まって、その知見を共有する場です。講演者が聴講者に対して発信するだけの場ではありません。質疑や懇親会での意見交換、SNSでの感想、blog、レポートなど全てが集まってCEDECを構成しています。みなさんも是非、共有し、巨人の一部になりましょう!
渡邊恵太
西田健志
情報技術によってコミュニケーションの様々な問題を解決し、「コミュ力」がなくても大丈夫なコミュニケーションの環境を作ります。
http://www2.kobe-u.ac.jp/~tnishida/index-jp.html