2014年12月から2015年1月にかけて、カプコンのインターンシップの取り組みとして、「CAPCOM GameJam 2014」というGameJamイベントを、東京、大阪の2会場で開催しました。
このGameJamのメインテーマは、「プロのゲーム開発者を打ち破れ!」というもので、GameJamでありながら、コンテスト形式を採用し、「カプコンVS学生」というお祭り感の強いイベントにすることで、ゲーム業界全体の盛り上げや、学生のゲーム業界への興味付け、ゲーム開発スキルの育成を目的として開催しました。
実は、カプコンでのGameJamイベント開催は今回が初の試みであり、開催どころかGameJamイベントの参加経験がある社員もほとんどいないという手探りな状態からのスタートでした。そのため、一般的なGameJamイベントとは毛色の違う点もいくつかありました。「参加対象者をプログラミング経験者に絞った」というのもその一つです。
初のGameJamイベント、しかも学生を招いてのインターンシップイベントということで、イベント運営の中でいろいろな選択を迫られましたが、なぜそのような判断に至ったか、その結果どうなったのか等の事例について、主に開発者目線での振り返りを紹介します。皆様のGameJamイベント開催へのモチベーション向上や、障害回避の参考になれば幸いです。
なお、本セッションは、CEDEC 2014のバンダイナムコスタジオ様のセッション【GameJamでクリエイターに「何が起きたのか?」 ~バンダイナムコスタジオが挑んだ人材育成の舞台裏~】へのアンサーセッションでもあります。上記セッションに関する資料や記事をあらかじめご覧いただくと、より理解が深まるかと思われます。
講演者プロフィール
大井 勇樹
2003年株式会社カプコン入社。
ゲームプログラマとして「戦国BASARA」シリーズや「BIOHAZARD 5」等の
プロジェクトに参加後、内製ゲームエンジン「MT FRAMEWORK(以下MTF)」
開発チームへ移籍、エンジンプログラマへ転向。
現在は、テクニカルディレクション、テクニカルサポート、
プロジェクトマネージメントといった様々な業務をおこないつつ、
開発者全体がハッピーになるための施策を日々模索、実践中。
CEDEC2012「あなたのゲームエンジンをもっと多くの人に使っていただくために」講演。
《講演者からのメッセージ》
日本のゲーム業界というものが生まれて30年以上の年月が経ち、
様々な人、様々な技術、そして様々な楽しさを生んできた業界に成長しました。
では、ゲーム業界はすでに成熟し、安定期に入ったのか、と言われると、
まだまだそんなことはなく、未踏の分野、未来の技術、未知の遊びが
これからも生まれてくると信じています。
それは、「ゲーム」という外に向けたプロダクトだけではなく、
「ゲーム業界」という内側のシステムにも同じことが言えるでしょう。
「新しく、面白いゲーム」は「新しく、面白いゲーム開発」から生まれる、
ということを信念に、人を、組織を、業界を巻き込んで、
ゲーム業界をもっと面白い物にしていきたいと思っています。
今年のCEDECでは、GameJamとテクニカルサポート、
この2点についてお話させていただく機会をいただきました。
どちらも「新しく、面白い」を目指して取り組んだものです。
職種や会社の違いは関係なく、もっと皆さんと「面白いゲーム」、
そして「面白いゲーム開発」についてお話ができればと思います。