これまでプログラマ一筋でやって来たけど、最近自分の他の可能性を確かめたくなっている。キャリアの幅を広げたい。
この歳になると、最前線でプログラムを書き続けるのは正直しんどい。後進に道を譲り、縁の下の力持ちとしてゲーム開発を支えたい――様々な事情はあれど、全てのプログラマが生涯現役というわけではないのが現実です。
そんな「元プログラマ」たちがこれまでの経験とスキルを生かし、ゲーム業界で更なる活躍をするためにできることとは?
このセッションでは、カプコンでゲームプログラマがさらに自分の業務の幅を広げ、武器を増やすために取り組むことのできる業務の一部をご紹介します。
講演者プロフィール
上東 琢磨
SIer系企業にて4年間システムエンジニアとして勤務後、2010年株式会社カプコン入社。
社内ヘルプデスク業務や資産管理データベースのアプリケーション開発業務等に携わった後、
タイトルのマスター提出やダウンロードコンテンツの配信申請を行う、「サブミッション業務」を担当。
数年間の業務を経て、今後の開発体制の中には複雑化するサブミッションを全体管理する専門家が必要不可欠と感じ、
それを担う「リリースマネージャー」という職種の立ち上げに参加。
リリースマネージャーとして、「biohazard HD REMASTER」「BIOHAZARD REVELATIONS 2」といったタイトルの開発に関わる。
《講演者からのメッセージ》
家庭用ゲーム機におけるタイトル開発プロジェクトの大規模化が叫ばれて久しいですが、
直接的な開発工程だけではなく、それに伴う様々な業務も複雑化、高難易度化の一途を辿り、
プロジェクト全体を淀みなく進行させるうえでの障害のひとつになっていると感じます。
問題をクリアするために必要なのは、適切な業務切り分けによる効率化、そしてそれを担うことのできる高度な専門知識を持つ「人」です。
弊社カプコンには、ゲーム開発者のキャリアパスとして様々な業務が存在します。
今回のセッションでは、その中でも特にプログラマのキャリアパスに焦点を当てて紹介させて頂きます。
各自が持つ業務知識・スキルを生かして最大限の開発効率化を図り、より優れたゲーム作りを目指しましょう!
大井 勇樹
2003年株式会社カプコン入社。
ゲームプログラマとして「戦国BASARA」シリーズや「BIOHAZARD 5」等の
プロジェクトに参加後、内製ゲームエンジン「MT FRAMEWORK(以下MTF)」
開発チームへ移籍、エンジンプログラマへ転向。
現在は、テクニカルディレクション、テクニカルサポート、
プロジェクトマネージメントといった様々な業務をおこないつつ、
開発者全体がハッピーになるための施策を日々模索、実践中。
CEDEC2012「あなたのゲームエンジンをもっと多くの人に使っていただくために」講演。
《講演者からのメッセージ》
日本のゲーム業界というものが生まれて30年以上の年月が経ち、
様々な人、様々な技術、そして様々な楽しさを生んできた業界に成長しました。
では、ゲーム業界はすでに成熟し、安定期に入ったのか、と言われると、
まだまだそんなことはなく、未踏の分野、未来の技術、未知の遊びが
これからも生まれてくると信じています。
それは、「ゲーム」という外に向けたプロダクトだけではなく、
「ゲーム業界」という内側のシステムにも同じことが言えるでしょう。
「新しく、面白いゲーム」は「新しく、面白いゲーム開発」から生まれる、
ということを信念に、人を、組織を、業界を巻き込んで、
ゲーム業界をもっと面白い物にしていきたいと思っています。
今年のCEDECでは、GameJamとテクニカルサポート、
この2点についてお話させていただく機会をいただきました。
どちらも「新しく、面白い」を目指して取り組んだものです。
職種や会社の違いは関係なく、もっと皆さんと「面白いゲーム」、
そして「面白いゲーム開発」についてお話ができればと思います。