3Dモデルにおけるテクスチャの必要解像度はアーティストの手による調整に頼ってきた。結果、より高解像度でなくては表現できないはずの模様がボケてしまったり、解像度が全く必要ないようなテクスチャに対して無駄に高解像度を割り当ててしまうなどの無駄が発生してきた。本セッションではフーリエ変換を用いたテクスチャの周波数分析をもとに、テクスチャのコンテキストに応じた必要解像度を推定する方法と、その方法の開発過程で得られた知見を共有し、より無駄の少ない3Dモデルを実現する手段を提供する。
講演者プロフィール
内村 創
2008年から「グランツーリスモ」シリーズの制作に携わってきました。
主にグラフィックス周辺のサポートツールから実機までを担当しています。
「フルスクラッチによるグラフィックスプログラミング入門」(秀和システム)
という本を出させていただいたのですが、絶版です。
《講演者からのメッセージ》
現実世界を再現するようなタイトルでは、品質を重視するあまり
とんでもない解像度のテクスチャが貼られる事があります。
でも、そのテクスチャに、そんな解像度必要ですか?
というわけで、テクスチャのコンテキストから
必要な解像度を推定する手法を考えてみましたよ。
安富 健一郎
2007年ポリフォニー・デジタル入社のランドスケープアーティスト。近年はテクニカルアーティストとしてシェーダ設計等にも携わります。
《講演者からのメッセージ》
マテリアルをつくる仕事は、テクスチャをつくる仕事と言っても過言ではないです。解像感のある高品質なテクスチャ表現を得るために、アーティストは画像補正やmipmapとの戦いに明け暮れてきたと思います。「解像感」という感覚的概念を定量化し、テクスチャを評価する手法を紹介するとともに、解像感とは何なのか、テクスチャにシャープネスフィルタをかけると何が起きるか、mipmap暈けを最小化するにはどうしたら良いか、といった謎も解明していきます。