リハビリ用シリアスゲーム「リハビリウム起立くん」の開発、販売、介護施設への導入

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日時:
2013年08月23日(金)14時00分〜14時30分
形式: ショートセッション(25分)
受講スキル:
シリアスゲーム制作、開発、研究をおこなっている人、あるいは今後おこなう予定がある人。<br />ゲーム業界以外の分野、特に医療介護ヘルスケア分野とのコラボレーションを模索している人。<br />大学等においてゲーム制作関連の教育をおこなっている人。
受講者が得られるであろう知見:
ゲーム業界以外の組織(病院、介護施設)とのコラボレーション法<br />高齢者向けリハビリゲーム制作の実践例<br />国内におけるシリアスゲームのビジネス展開
セッションの内容

九州大学では2010年度から、特定医療法人 順和 長尾病院との共同研究にて、リハビリ用シリアスゲーム『樹立の森 リハビリウム』を開発し、医療、介護の現場において、ゲームの有用性と安全性の検証をおこなってきました。そして、2012年には、メディカ出版にて同 ゲームをベースとした『リハビリウム起立くん』が開発され、2013年より販売を開始しております。本セッションでは2012年の開発および、2013年 の販売後の施設等における状況を中心に、リハビリ用シリアスゲームの開発そして販売、現場への導入についてを順を追って発表します。加えて、九州大学にて あらたに開発中の半側面空間無視対応用ゲームや、ヘルスケア用太極拳ゲームについても発表します。


講演資料

  • C13_96.pdf

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講演者プロフィール

松隈 浩之

松隈 浩之
所属 : 九州大学
役職 : 大学院<br>芸術工学研究院 講師

1997-2003 凸版印刷株式会社 CGデザイナー
2003-現在 九州大学大学院 芸術工学研究院 講師

アニメーションやゲーム等のコンテンツデザインを中心に研究活動を行う。2009年より、産学官連携での福岡市委託事業「シリアスゲームプロジェクト」代表を務め、若手クリエイターの育成及び、新たな分野でのゲーム・コンテンツ産業の拡大に力を注いでいる。現在は地元の病院との密な連携をもとに、主に高齢者を対象としたリハビリ系ゲームの研究開発をすすめ、実用化も果たしている。CEDECでは過去3年間、ラウンドテーブル、インタラクティブセッション、ショートセッションと産学官連携、シリアスゲームをキーワードに講演を行なっている。


《講師からのメッセージ》

シリアスゲームプロジェクトを開始して5年目に突入しました。プロジェクトの成果として介護施設、医療機関向けに販売開始した『リハビリウム起立くん』のページはこちらです。 http://www2.medica.co.jp/topcontents/kirithu/
また、先日出版された『ビジネスを変える「ゲームニクス」』サイトウ・アキヒロ著でも事例として扱われています。
セッションでは、ゲームの医療介護分野への展開について見識を深め、意見交換をおこなう場にできればと思います。
今後も、ゲーム産業の拡大とクリエイター育成を目的に掲げ、精力的に活動していきますので、よろしくお願いいたします。

横井 むつみ

横井 むつみ
所属 : 株式会社メディカ出版
役職 : 介護・エンタメディカル編集課<br>ディレクター

編集者。一般向け雑誌・書籍の制作に長年かかわる。フリー時代は『10年後の日本』(文春新書)などの執筆に参加。医療雑誌編集長を経て、現在は㈱メディカ出版で介護系書籍・コンテンツの制作に携わる。


《講師からのメッセージ》

『リハビリウム 起立くん』は、初めてリハビリとゲームが合体したソフトです。すでに介護施設や医療機関などで高齢者にご利用いただき、効果を上げています。高齢者向けソフトとして、シリアスゲームとして、ひとつの地位を築いていきます。

野口 伸二

野口 伸二
所属 : フリーランス
役職 : 制作コーディネーター

28年間ゲームメーカーに勤務。
ディレクター、プロデューサーとしてコンシューマーゲームの制作に携わる。
2010年退社後、出版社勤務を経て、現在フリーランスとして主に医療・介護関連のゲーム制作のコーディネートを行う。


《講師からのメッセージ》

病院や介護施設というロケーションでは、コンシューマーゲームとも、アーケードゲームとも異なる視点での考えが求められます。どんな課題と解決方法があるのか、「起立くん」を通じてお話しできればと思います。

梶原 治朗

梶原 治朗
所属 : 特定医療法人順和 長尾病院
役職 : リハビリテーション部<br>作業療法士 スタッフ長

1997年 九州芸術工科大学大学院 生活環境専攻 修了 
2004年 九州リハビリテーション大学校 作業療法学科 入学 
2007年 特定医療法人順和 長尾病院 リハビリテーション部 現在に至る 
日本作業療法士協会 会員

2008年より、外来患者からの要望を受け、リハビリテーションへのゲームの応用に関する研究に従事。病院やデイケア等の介護保険施設、リハビリテーションの臨床現場におけるシリアスゲームの応用方法の検討について取り組んでいる。


《講師からのメッセージ》

リハビリ用シリアスゲーム「リハビリウム起立くん」の開発過程、また現在の臨床現場での応用・運用状況、ゲーム活用時のリハビリ効果について、より具体的な臨床データや患者・高齢者の生の声を報告する。またセラピストとしてリハビリテーションの臨床現場目線から、シリアスゲームの今後の可能性、ゲーム制作・開発者の方々へ期待したいポイント、求められる要件について議論したい。