サウンドコンフィグは必要か否か?FINAL FANTASY XIII-2における音響バランスの取り組み

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日時:
2012年08月20日(月)14時50分〜15時50分
形式: レギュラーセッション(60分)
受講スキル:
サウンドディレクタ、サウンドデザイナ、サウンドプログラマ。<br />サウンドQAに関わるゲームデザイナ、ゲームプログラマ。
受講者が得られるであろう知見:
ゲームオーディオのバランス調整法、オーディオにおけるユーザーに対しての意識啓発
セッションの内容

ゲームサウンドの音響バランスの調整は非常に難しく、ちょっとした事がバランス崩壊の引き金になります。
多くのゲームはサウンドコンフィグを設け ユーザーによる調整が出来るようになっていますが、クリエーターとして提供するべきバランスとは一体何なのか?今回はユーザーに対してコンフィグを設けず に満足していただけるかをFINAL FANTASY XIII-2で新しく作成したオーディオリファレンスの解説を行いながら考察を述べたいと思います。


講演資料

  • C12_P0017.pdf

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講演者プロフィール

矢島 友宏

 矢島 友宏
所属 : 株式会社スクウェア・エニックス
役職 : 開発部サウンドグループ<br>マネージャー/サウンドディレクター


1996年スクウェア(現スクウェア・エニックス)入社
開発部サウンドグループのマネジメントを行いつつサウンドディレクション、
サウンドシステム設計、効果音作成も行う。
代表作はゼノギアス、ベイグラントストーリー、聖剣伝説4、FINAL FANTASY XI~XIII-2

<講演実績>
GDC 2010 FINAL FANTASY XIII's MASTS
CEDEC2010「ゲームオーディオ」 ~ 未来への提言 ~
CEDEC2010ゲームサウンドにおける理想的なサラウンド体験提供への挑戦~技術交流の取り組み事例~
その他多数


《講師からのメッセージ》

ゲームオーディオは環境が多種多様でバランス調整やリファレンスを作るにあたって皆さん苦心されているのではないでしょうか?
コンフィグを用意してユーザーに調整してもらったり、リファレンスを決めてコンフィグを設けない、その両方・・・とアプローチは様々です。
今回FINAL FANTASY XIII-2ではサウンドコンフィグを用いると非常に複雑な設定をユーザーに要求してしまう可能性から
「今後も活用出来るゲーム内でのサウンドコンフィグの必要の無いバランスを作る」
という目標を立て挑戦しました。
実際に行ってみるとインタラクティブ性・ハード環境の違いを考慮したバランスをどうするのか等、様々な困難がありました。
ゲームのサウンドのバランスやコンフィグはどのようにしていけば良いのかを実際に行った取り組み内容を解説しながらお伝えできればと思います。


菅沼 篤

菅沼 篤
所属 : 株式会社スクウェア・エニックス
役職 : 開発部サウンドグループ<br>サウンドデザイナー


株式会社スクウェア・エニックス
開発部サウンドグループ
サウンドデザイナー

2005年、株式会社スクウェア・エニックス入社。
<過去の開発タイトル>
FRONT MISSION5 Scars Of War
聖剣伝説4
The Last Remnant
FINAL FANTASY XIII
FINAL FANTASY XIII-2
Agni`s Philosophy
など

<過去の講演>
AES-Tokyo 40th International AES Conference / Spatial Audio
In Pursuit of Spatialized Sound in Games:
Constructing spatial audio environments -fully based on the main direction of FINAL FANTASY XIII


《講師からのメッセージ》

ゲームオーディオ関係者には重要な開発工程の一つであるIn-Game Mixing。
開発ツール,ミドルウェアなどの開発環境やサウンド制作環境等、各社相違しながらも常に私達に求められているのはゲームにとってベストなIn-Game Mix。
ゲー ムオーディオ関係者の方々がIn-Game Mixに対して抱える疑問点や苦悩点、改善点等、FINAL FANTASY XIII-2開発での実際の作業工程を事例としながら、分かりやすくご紹介致します。この講演でIn-GameMixの技術的課題の克服に何かお役に立て ればと思います。


染谷 和孝

染谷 和孝
所属 : 株式会社 東海サウンド
役職 : サウンドデザイナー/エンジニア


1963年東京生まれ。東京工学院専門学校卒業後、
(株)ビクター青山スタジオ、(株)IMAGICA、(株)イメージスタジオ109、
ソニーPCL株式会社を経て、2007年(株)ダイマジックのスタジオ設立に参加。
2012年、株式会社東海サウンドに所属を移し、ゲーム・映画・展示作品を中心に
サウンドデザイナー、ミキシングエンジニアとして活動中。
2006年よりAES(オーディオ・エンジニアリング・ソサエティー)「Audio for Games部門」のバイスチェアー、
2010年よりAES日本支部 例会役員を担当。

●最近の主な担当作品●
映画、映像作品:「Final Fantasy Ⅶ / AC Comp版」、「Rookies劇場版」、「カイジ1,2」(プリミキシング担当)、「ホタルノヒカリ」(プリミキシング担当)
ゲーム作品:「Final Fantasy ⅩⅢ」、「Final Fantasy ⅩⅢ 2」など


《講師からのメッセージ》

このような貴重なセッションに参加をさせて頂き有難うございます。この場を通して、皆さんとより良いお話が出来れば幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。