「画面を見なくてもゲームの状況や勝敗が音だけで分かる事」を目標にする為には、記号性をより際立たせる音のナビゲーションが重要です。インタラクティブ演出制御を駆使し、必要とされる記号性と演出をどの様に両立させたのか?武器対戦格闘ゲーム「ソウルキャリバーV」の実例と共にご紹介します。バトル中の有利/不利、攻撃の効果を認識する為の声やSEの制御、国内/海外ユーザーの音の好みに合わせたSEのローカライズ、キャラクタークリエイションに追従する声やパーツSEの変化等、限られたリソースの中でサウンドデザイナーが仕掛けた演出から、物量だけに頼らないサウンド制作の可能性を探ります。
講演者プロフィール
矢野 義人
1996年、株式会社ナムコ(現在のバンダイナムコスタジオ)に入社。
「ソウルキャリバー」シリーズでは、ゲーム内の効果音制作、実装担当。
サウンドディレクターとしては、「パンダさん日記」「BREAKDOWN」「URBAN REIGN」。
コンポーザーとしては「塊魂」「鉄拳」「太鼓の達人」「アイドルマスター」などその他多数。
現在DAWで管理業務ができないか模索中。
《講師からのメッセージ》
ゲーム中に再生される音によって、楽しくなったり、緊張したり、いろんな感情を味わうことができますが、どういう役割でそれぞれの音が鳴っているかを理解できると、さらに魅力的に感じることができます。
この講義が、プランナーやサウンドクリエイターの助けになれば幸いです。
中鶴 潤一
1997年、株式会社ナムコ(現在のバンダイナムコスタジオ)に入社後、サウンドデザイナーとしてアーケード、コンシューマーゲーム等、様々な製品を担当。
代表的な製品である「SOULCALIBUR Series」ではオーケストラと民族楽器、シンセサイザーを融合させた手法で数多くの楽曲を作曲する一方、サウンドティレクターとして、総合的なゲームサウンドデザインを手がけ、サラウンド、THX等、常に新しい表現手法にも積極的に取り組む。その他、「ACE COMBAT Series」「RIDGE RACER Series」「Time Crisis2」「太鼓の達人」等、幅広いジャンルに渡って、サウンドデザインを手がけている。現在、複数の新規プロジェクトにて新しい「音」を創造中。
《講師からのメッセージ》