「アナグラのうた」は、ゲームクリエイターのノウハウが注入されることによって、体験者の感覚に強く訴える異色の展示物として好評を博すと同時に、エンターテインメント作品としても評価され、文化庁主催第15回メディア芸術祭において優秀賞を受賞するに至りました。この作品がどのような行程を経て作られていったか、未来館展示企画担当者、ゲーム作家、制作ディレクター、サウンドデザイナーが講演します。
インタラクティブセッションでは,実際のサウンドシステム(Max/MSP)等を用いながら,各担当者が皆さんの御質問に直接お答えします。
全日以下の時間帯にも特別プレゼンテーションを行います。
13:30-14:30(60分) 1回目講演 展示の企画と立案に関して (島田、飯田)
14:50-15:50(60分) 2回目講演 開発6ヶ月 ゲームのノウハウでいかに完成させたか。(犬飼、納口、山下)
16:30-17:30(60分) 3回目講演 Max/MSPを利用した大型施設のサウンドシステムの開発(中村)
講演者プロフィール
山下寿也
1976年生まれ。大阪府出身。東京大学文学部卒業。東京芸術大学大学院映像学科中退。2002年、エウレカコンピューターの前身であるイーヘッドラインを立ち上げる。プログラマー。言語解析、映像解析などを得意とする。「アナグラのうた」では技術進行を担当。2012年ジャパンベンチャーアワード先端技術特別賞受賞。
《講師からのメッセージ》
島田卓也
1965年生まれ。独立系デザイン事務所でUIデザインやインタラクティブシステムの企画開発に携わった後、2001年から日本科学未来館の展示プランナーを務める。主な展示として『インターネット物理モデル』『相対性理論で走ろう』『アナグラのうた』がある。2012年よりフリーランス。
《講師からのメッセージ》
犬飼 博士
1970年愛知県一宮市生まれ。映画監督山本政志に師事。格闘ゲームのプレイヤーを経てビデオゲーム開発に従事。コンシューマー機での代表作は「UFC(DC)」「WWE RAW(Xbox)」「Mr. SPLASH!(インディーズFC)」。2002年からeスポーツ専門事業を開始し、WCG,CPL,ESWCなどの世界大会の日本予選を主催。経済産業省のスポーツ産業のIT化に関する調査事業に委員として参加。2007年からエウレカコンピューターに合流し走り回ってプレイするゲーム「eスポーツグラ ウンド」を開発、サービス開始。本年NHK「コネクト」では「アナグラのうた」を中心にアーティストとしての一面が特集された。
《講師からのメッセージ》
「アナグラのうた」は今後ますます増えるであろうリアルとバーチャルの融合したコンテンツ制作の案件の実例です。
この開発のノウハウを1つの講演と、3日間のインタラクティブセッションでみなさんと共有いたします。
震災を含む6ヶ月の期間でいかに150平米の巨大なインタラクティブ空間を「建築」、「造作」、「ソフト開発」を行なって公開したのか、皆さんの質問にお答えしながらお話をしようと考えています。ぜひ、講演とインタラクティブセッションをあわせてご参加ください。みなさまのおこしをお待ちしております。
飯田和敏
ゲーム作家。コンピューターゲームの代表作は『アクアノートの休日』『太陽のしっぽ』『巨人のドシン』など。文芸作品をゲーム化する「ふいんき語り」などの著書がある。デジタルハリウッド大学教授。
《講師からのメッセージ》
納口龍司
ビデオゲーム「チュウリップ」や「ディシプリン」等の絵を描いて来ました。最新作は日本科学未来館 の「アナグラのうた~消えた博士と残された装置」 のコンテンツのアートワーク、併せて展示内でながれる曲をCD化した「アナグラのウタのウタ」のアートワークもてがけさせてもらいました。
《講師からのメッセージ》
中村 隆之
1967年7月東京都生まれ。19歳の時、独学で作曲をはじめ、友人とバンドを組んでギターを演奏していた。1990年4月、(株)セガへ入社。大ヒット作「バーチャファイター」「バーチャファイター2」の音楽を筆頭にコンシューマー&アーケードのさまざまなゲームの音楽や効果音を手がける。1996年、(株)セガを退社。1999年、音楽・音響制作会社の(株)ブレインストームを設立。代表作はプレイとサウンドが同期するという新感覚音楽パズルゲームの「ルミネス」、空間情報科学とゲーミフィケーションを融合した日本科学未来館の常設展示の「アナグラのうた」ほか多数。近年、アプリなどにも音楽を提供している。あらゆるメディアとプラットフォームに音楽を提供する異色のサウンドデザイナー。
《講師からのメッセージ》