本セッションでは、ゲームプレイヤーのコントローラー操作履歴データを参照しつつ、(a)プレイヤーがどの局面でどのような行動をとるのか、(b)プレイヤーはどのようなプロセスでゲームを習熟し飽きていくのか、(c)最も適切な(プレイヤーに集中を促す)ゲーム設計とはどのようなものかの三点について報告いたします。なお本セッションの報告は、インタラクティブセッション「ゲームプレイってなんだろう?」でCEDECにご参加の皆様にご協力いただいた収録結果も反映させつつ行う予定です。
講演者プロフィール
小孫 康平
立命館大学大学院先端総合学術研究科修了(博士(学術))。東北学院大学大学院人間情報学研究科修了(博士(学術))。現在、皇學館大学教育学部教授。専門は、ビデオゲーム学、教育方法学、教育工学、生理心理学。主要業績として、『ビデオゲームプレイヤーの操作行動が脈波のカオス解析による心理状態と主観的感情に及ぼす影響』、「デジタルゲーム学研究」、第4巻第2号。『ビデオゲームプレイヤーの心理状態とコントローラのボタン操作行動の分析』、「デジタ ルゲーム学研究」、第5巻第2号等。
尾鼻 崇
博士(学術)。映像音楽研究/ビデオゲーム研究。立命館大学大学院先端総合学術研究科修了。日本学術振興会特別研究員、立命館大学衣笠総合研究機構博士研 究員を経て、現在は中部大学人文学部に所属。立命館大学大学院兼任講師、立命館大学ゲーム研究センター客員研究員。 主要業績として、「遊びとしてのビデオゲーム研究―「ゲームプレイ」のビジュアライゼーションとアーカイビング」(『デジタル・ヒューマニティーズ研究と Web技術』所収)、「『スーパーマリオ』の音楽論―ゲームサウンド・スタディーズのための試論として」(『立命館映像学』第4号所収)、「初期ハリウッ ド映画における古典的な映画音楽手法の確立」(『芸術はどこからきてどこへ行くのか』所収)等。
上村 雅之
シャープ(株)光半導体の営業担当時代に出会った任天堂(株)との光線銃用シリコンフォトセルの開発・販売が縁で任天堂(株)に移籍。以来玩具の電子化の開発に従事。その開発担当玩具の一つにテレビゲーム「ファミリーコンピュータ・ファミコン」が ある。米国で開発され実用化されたテレビゲームを日本的な玩具開発手法で設計・販売したのがファミコンであるが、同時に創作・販売されたゲームソフトと共 にビデオゲームの開発史に大きな足跡を残す事になった。何故ビデオゲームが世界中の人々の支持を得ることができたのかが、立命館大学での研究テーマの一つとして現在も取り組んでいる。ファミコンの開発の経緯については「デジタルゲーム学会」第5巻第2号に詳しい。