近年、ソーシャルゲームの勢いが目覚ましい。PCや携帯電話などを用い日常生活中で気軽に遊べる点と、友だちづきあいの延長として遊べる点が魅力であろう。一方で、従来例ではカジュアルなタイトルが多く、リッチコンテンツとしてのゲームの可能性を信じる制作者には物足りなく映ることもある。この講演では、日常性とソーシャル性を持ちつつ、リッチで濃厚な体験を提供する新しい構造のゲーム「ARG (代替現実ゲーム)」を紹介する。
講演者プロフィール
八重尾 昌輝
1980年生まれ/神奈川県出身
プロARGクリエイター/ラ・シタデールARG事業部長/国際ゲーム開発者協会日本(IGDA Japan)代替現実ゲーム専門部会(SIG-ARG)世話人
編集者時代に全世界で実施されたARG「The Lost Ring」と出会ったのきっかけにARG(Alternate Reality Game:代替現実ゲーム)のような体験型エンタテイメントを日本に普及させることを決意。以後はARGをはじめとした各種体験型エンタテイメントに関する事例研究、情報収集、実証実験を続けながら2010年に独立。
日本では兼業でARG制作を行うデザイナーがほとんどの中、ARG専業のプロゲームデザイナーとして活動中。
現在は映画会社・ラジオ局・地方自治体など多くのクライアントからの依頼に合わせて体験型エンタテイメントのゲームデザインを行うかたわら、講演や執筆活動を通してARGをはじめとした体験型エンタテイメントの啓蒙活動と後進の育成を精力的に行っている。
《主な実績》
『デジタルゲームの教科書』(ソフトバンククリエイティブ/2010年) ※共著。第20章「ARG」を担当。
セミナー用ARG「Passt」制作・運営(2010年6月3日~5日)
式根島ARG「南の島へご招待」制作・運営(2010年10月1日~11月14日)
東京海上日動ARG「ヒューマングローブトラベラー」制作・運営(2010年10月4日~2011年3月31日)
石川 淳一
1982年システムソフト入社。『大戦略』『天下統一』シリーズなどSLGを中心にゲームデザイン、ディレクター、プロデューサーを担当。
1999年有限会社エレメンツ創立。最近はシリアスゲームやARGなど新しいジャンルのゲーム製作に乗り出している。
CEDEC2010「産学官連携によるシリアスゲーム製作は可能か?」(パネルディスカッション)