2010年のGDCで、リファレンスレベルを決定するための発表が行われました。
映画などから導き出した基準をゲームに適用するため、具体的な数値を設定し、そのマイルストーンも示されました。
日本でもこうしたリファレンスレベルに関する議論はありますが、なかなか明確な数値として決定されることがありませんでした。
ゲームには、様々なターゲットが存在します。
ハンドヘルド、プラットフォーム、そしてゲームのジャンルによる違い。
映画のように一つのリファレンスを適用できるのか?
ゲームにおける最も重要なサウンドとはダイアローグなのか?
ハードに依存せざるを得ないハンドヘルドの再生とは?
多くのクリエイターによって行われるゲーム制作で質感の揃ったサウンドメイクをするには?
インタラクティブな再生を行うゲームの中でミックスを成功させるための工夫とは?
内容はリファレンスレベルのみに留まらず、ゲームサウンドをアウトプットする多様な環境にどうアプローチし、より良い作品を効率よく制作していくのか。そして、ただ再生するのではなく、プログラムやゲームのディレクションの中でサウンドがどのような役割を持ち、ゲームの世界を演出していくのか。
技術的な視点を軸に総合的に語り合います。
講演者プロフィール
瀧本 和也
1992年、東京のポスプロスタジオ業務に就き、放送、映画等のミキシングを経験後、1997年にカプコンに入社。入社後はバイオシリーズ、デビルシリーズ等、カプコンのほぼ総てのタイトルに関わり、カットシーンのミキシング、楽曲のレコーディング、ミキシング等を担当。また、ゲーム音響制作現場のシグナルリファレンス策定や、現場環境の整備、ゲームの発音に関するミキシングの視点からのアイデアを制作者と議論し、クオリティアップの下支えを行っている。
岸 智也
2001年入社。鬼武者などのプロジェクトで主にカットシーンのサウンドデザインを担当。
"Lost Planet: Extreme Condition"よりサウンドディレクターとして業務に関わる。
サウンドディレクションを行う一方で、ワークフローの効率化、制作環境の構築など、
次世代のゲームサウンド開発を日々模索中。
《講師からのメッセージ》
一昨年、昨年に引き続き、今年もCEDECで講演できることが出来て光栄です。
カプコンサウンドでは、技術面のみならずワークフローに関しても、
いかに効率的にプロジェクト運営を行うか?
いかにロスを少なく費用対効果の高い業務を行えるか?など、
日々、真剣に考えて取り組み、実作業で検証し、フィードバックを繰り返しております。
今回のセッションで、ひとつでも多く役立つ情報を持ち帰っていただけるよう
出来る限りの努力をしていこうと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。