ライブはファンとタレントさんが同じ時間と空間を共有する一期一会の一大イベントです。この非日常の体験をライブの幕を下ろすまで続けていくためには、リアルアーティストと遜色のない実在感をステージ上で体現しなくてはなりません。
本セッションでは、トゥーン表現における実在性のあるライティングと、さらにステージの実照明とCG空間の照明を高度に同期することで生み出される本物のアーティストのライブさながらの照明演出についてお話させていただきます。
講演者プロフィール
平野 晶麗

2022年にカバー株式会社に入社。
ARライブシステムや現地開催されるライブのライトシステムの開発に従事。
現在はUnreal Engineによるライブの開発ディレクターを担当。
《講演者からのメッセージ》
照明演出はライブに必要不可欠な要素ですが、近年のVTuberのライブは規模の拡大に伴い品質も大きく向上し、実会場の照明と高度に同期させたCGライティングは欠かせなくなってきました。また、こうしたライティングには根幹となるトゥーンレンダリングの陰影の品質も重要となってきます。
本セッションでは、実在性を高めるライブならではの照明表現を、本職のライブの照明チームとタッグを組んでどのように実現したかについて、お話させていただきます。
よしだたかゆき

空間&舞台等の演出、美術デザイン、映像制作、テクニカルプロデュース等を担当。
様々な投影/映像表示の手法を用いて「空間に虚像(仮想世界の存在)を表示・出現させる」ような作品制作に多数関わる。また、「仮想と現実を繋げる表現」のための開発企画等も行っている。
《講演者からのメッセージ》
私はエンジニアではありません。「技術が好きな演出屋」です。主な役割は「現実(側)の空間構築」であり、また、「現実と仮想との橋渡し」役です。
「仮想の存在を、現実空間で【実在している】と感じさせる」という表現制作、ならびに、そのために必要な技術開発(企画)に10年以上取り組んで来て、最も重要な要素の一つが「光」と考えています。
エンジニアではなく「現実と仮想を橋渡ししてきた演出屋」の視点と経験から、本セッションではお話しさせていただきます。
泉 次雄

照明デザイナー、プログラマ。
舞台照明家としてコンサート、演劇、イベントなど各分野の照明を広く手がける。
近年は仮想空間の照明環境構築の研究開発も積極的に携わっている。
《講演者からのメッセージ》
最近のVtuberライブではCG内でも照明環境をきちんと整えるものが増えてきました。生身のコンサートと違って、仮想空間と実空間は本来かけ離れた光環境であるため、意識して調整しないと別空間に存在しているように見えてしまいます。この空気感を合わせるだけで一体感が大きく増すことが知られてきました。
Vtuberライブのお手伝いをさせて頂く上で、照明家視点でお話させて頂きます。