3Dプリンタやレーザーカッターに代表されるデジタルファブリケーション技術の発展により、インターフェース(人と機械の間をつなぐ仕組み)の研究領域では、モノにインタラクティブ性をもたせる機構や仕組みがさまざまに研究・提案されています。その中で私は、磁性材料に局所的にS極・N極を書き込む技術を応用し、電力を使用せずに触覚フィードバックを提供するインタフェースや、手書きの図形や記号を半立体的に形状提示するディスプレイを考案してきました。本インタラクティブセッションでは、磁力によって形状を提示するディスプレイを用いた、フィジカルなゲームの体験展示を行います。
講演者プロフィール
安 謙太郎

2008年慶應義塾大学理工学部卒業、2010年慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科修士課程修了、2013年同研究科博士課程修了。2013年から2016年までNational University of Singaporeにて研究員として勤務。2016年より日本電信電話株式会社(現:NTT株式会社)コミュニケーション科学基礎研究所に入所し、触覚ディスプレイシステムの研究を開始。2018年、磁性触覚印刷技術「Magnetact」を開発し、2019年より特別研究員。専門はヒューマンコンピュータインタラクション。紙や磁石など身近な素材を用いた創造技術、情報提示技術の研究を行う。
《講演者からのメッセージ》
セッションでは、「電力を使わない」インタラクションの設計事例を通して、ファブリケーション技術を活用した新しいインタラクションの構築手法をご紹介します。
● アナログな仕組みやフィジカルな遊び、からくりが好きな方
● HCI研究文脈からのインタラクション設計に関心のある方
● デジタルでのゲーム体験に新しい視点を取り入れたい方
にとって、ヒントとなる知見をお届けできればうれしいです。