本セッションでは2019年から現在までインディーゲームを開発・販売してきた「WSS playground」の立場から、2022年までの成功と、それから2025年までの停滞を振り返ります。
そのために、まず現代のゲーム販売において最も影響力のある「Steam」がなぜここまで発展したのか、特に「広告のないサービス」である点に注目し、弊社の成功事例から解説します。
次に、2025年まで停滞してきた理由を、現在のSteamにおけるレッドオーシャン化から説明しつつ、弊社が年間2000万円という予算で結成した取材チーム「I.N.T.」の取材・調査結果のもと、現在のSteamでも成功できた開発者たちの創意工夫について紹介します。
最後に、「WSS playground」の開発・販売経験と、「I.N.T.」の取材活動の結果を踏まえ、日本のゲーム産業における課題について検討します。
講演者プロフィール
斉藤大地

2011年ドワンゴ入社。「ニコニコ超会議」の企画などを経たのち、インディーゲーム「殺戮の天使」をプロデュースし、コミカライズ200万部以上、TVアニメ化などメディアミックスを成功させる。
その傍らゲームメディア「電ファミニコゲーマー」の副編集長を兼任。「ゲームの企画書」などでゲームメディアの可能性を追求。
2018年、株式会社カラーと株式会社ドワンゴより出資を受け、株式会社バカーを設立。「Touhou Luna Nights」をプロデュース。
2019年、株式会社バカー代表取締役を退任、株式会社ワイソーシリアスを設立。
2022年「NEEDY GIRL OVERDOSE」をプロデュース。
2024年、海外取材企画「インディーインテリジェンスネットワーク」を開始。
《講演者からのメッセージ》
メディアとゲーム開発を往復している人生を送っております。
その立場から見える知見を皆様に共有させていただきます。
steamというあまりにおもしろいプラットフォームでの皆様の旅路の手がかりになれば嬉しく思います。
Jini

作家、編集者。東京藝術大学・芸術情報センター所属。
2014年よりファミ通、SWITCH、WIRED、VOGUEなどで執筆しながら、2019年に世界初となる完全ペイウォール型ゲームメディア「ゲームゼミ」を創立。数々の独創的なゲーム批評が話題を呼び、有料購読者は2000人を突破。TBSラジオ「アフター6ジャンクション」レギュラーほか、出演多数。著書に『好きなものを「推す」だけ。』(KADOKAWA)。2025年より東京藝術大学。
《講演者からのメッセージ》
わたしは長年、インディペンデントな作家として数々の執筆、編集、出演、またメディア立ち上げを経験し、ビデオゲームに関する批評や分析を発表してきました。既存の利害関係に囚われることなく、また国際的な視野によってビデオゲームの開発・販売に役立つ知見を提供できれば幸いです。