中東、インドや東南アジアなど、グローバルサウス市場への関心がゲーム業界において高まる中、これらの地域のゲームショウへの出展や開発者カンファレンスへの参加を検討している日本のゲーム業界関係者が、近年とみに増加している。ホスピタリティに満ちた素晴らしい催しや、現地の声を知り、開発者とネットワーキングをする価値ある機会を提唱してくれるイベント・カンファレンスがある一方で、日本のゲーム会社とのトラブルが増えているのも事実である。本講演では、6大陸20か国での講演経験を持つ筆者が、各種データと各イベント主催者へのヒアリング経験を活かしつつ、新興国の重要なゲームショウ・カンファレンスを一通り解説するとともに、トラブルを未然に防ぐために、現地のイベント運営者とどのように接していけば良いのかについて解説する。
講演者プロフィール
佐藤 翔

京都大学総合人間学部卒、米国サンダーバード国際経営大学院で国際経営修士号取得。世界110か国以上のゲーム業界関係者とコネクションを持ち、特に新興国のゲーム市場・産業の調査に強みを持つ。日本初のゲームインキュベーターであるindie Game incubator(iGi)の事務局長でもあり、経済産業省の主催するゲームアクセラレーター、創風にアドバイザーとして関与している。2024年には米国の国際ゲーム開発者協会(IGDA)でインキュベーション作業部会を60か国120団体以上のインキュベーター等と共に設立、議長に就任。GDC2024・2025でゲームインキュベーターのラウンドテーブルを主催。ドイツ、オーストラリア、中国、インド、マレーシア、南アフリカ等世界6大陸20カ国以上で講演。
《講演者からのメッセージ》
東南アジアやインド、中東のゲームイベントに日本から参加するのは市場規模の割にコストがかかり、時間や手間もかかるため、参加の価値を判断するのは困難が伴います。一方で新興国のイベントに参加すると是非日本のゲーム開発者に来てほしいという声も良く聞き、歯がゆさを感じています。今回の講演を通じて、日本企業やゲーム開発者が新興国イベントに参加する敷居を少しでも下げることができればと思います。