ゲームオーディオ制作においてオーディオレンダリングパイプライン上でのリアルタイムオーディオ処理について掘り下げられることはまだ少ないのですが、次世代オーディオ表現を目指すにあたってその重要性は上がっているといえます。
中でも音量制御に関わる各種の処理は、避けては通れない基礎的なことでありながらも影響範囲が複雑で広く、なかなか汎用的な手法が確立していないのが現状だと感じています。
本講演では音量制御にまつわるリアルタイムオーディオ処理について「音割れを防ぐ」「コンテンツ音量を狙う」「ダイナミックレンジを狙う」「魅力的な出音を作る」の 4 つの観点から考察して、次世代に向けて出来ることを提案します。
リミッターなどの基本的な動作は既知のものとすることもあり上級者向けの内容とはなるのですが、上級者でない人へもなんとなくの全体像が伝えられれば嬉しいです。
講演者プロフィール
木幡 周治

電子楽器開発会社でソフトウェア開発、ゲーム会社でオーディオプログラマーとしての業務を経験し、現在は独立してテクニカルオーディオデザイナーとして活動中
◆ 講演など (一部)
[CEDEC2017] 実戦的なゲームのための音響空間表現 ―NieR:Automataにおける事例―
[GDC2018] An Interactive Sound Dystopia: Real-Time Audio Processing in 'NieR:Automata’
[CEDEC2022] テクニカルオーディオデザイナーの世界
《講演者からのメッセージ》
ゲームオーディオを深化させるためのリアルタイムオーディオ処理の活用について、少しずつでも伝えていければと思います!
「音量制御」というテーマの中で、最近では避けられがちな「歪み」の魅力を再発見してもらえれば嬉しいです!