『YEBIS(エビス)』はコンピューターグラフィックスに対し、カメラの絞りやレンズ特性による被写界深度、グレアなど、正確で高品質な光学効果を特徴とする、多彩なポストエフェクトを適用可能なミドルウエアです。2006年に最初のバージョンを発表して以降、これまで2度のメジャーバージョンアップを図りながら世界中のAAAゲームタイトルや映像コンテンツに採用されてきました。
その『YEBIS』が誇るレンズエフェクトの品質をさらに極めた次期バージョンが間もなく誕生しようとしています。
このセッションでは、次期バージョンで強化されるポイントや産業分野向けの映像制作を想定したUnreal Engineプラグイン「YEBIS Biz(エビス ビズ)」に至るまで、最新情報をどこよりも詳しくお伝えする予定です。
講演者プロフィール
川瀬 正樹
プログラマブル・シェーダ黎明期におけるグラフィクスエンジン開発で、さまざまな基礎技術を考案。
現在はシリコンスタジオ株式会社にてYEBISをはじめとするミドルウェア研究開発に従事。得られた知見は、CEDEC/GDC/SIGGRAPHなどの技術講演で業界への共有を図っている。
CEDEC AWARD 2009 プログラミング・開発環境部門ノミネート。
《講演者からのメッセージ》
また久しぶりの光学関連セッションになります。
あくまでリアルタイムツールとしての実用が目的であり、「物理的正確性」を第一義に目指すものではありません。
光学エフェクトとして本質的に重要な効果や、実用の際に表現力として重要な意味をもつ効果を追求しています。
そして少しだけ、実用上の重要性は低くとも、分かる人は心がくすぐられるような効果も含まれます。
まだ実写には遠いものの、光学エフェクトはある程度の到達点に近づいて来ているように思います。
従来のリアルタイム表現とは一線を画す最新の光学エフェクトの深淵を楽しんで頂ければ幸いです。
向井 亨光
OpenGLエンジニアとして日本SGIにて勤務後、シリコンスタジオ入社。新規事業開発部署にて技術開発を担当する。基礎技術の開発だけでなく、ユーザーの課題に応じた個別の提案、オンデマンドの開発までを行う。その納品までを一貫して担うことも