ゲームサウンドがマルチチャンネル化する中で、スクウェア・エニックスには、制作側でのサウンドデザインの限界を補完するため、再生音響機器に対する要望がありました。
一方、ヤマハでは、ゲームサウンドの最適な再生のため、制作者の視点の理解の必要性を感じていました。
そこで両社で技術交流を進め、ゲームユーザーに理想的なサラウンド体験を提供するための取り組みを行いました。
セッションではまず、スクウェア・エニックスにおけるサラウンドデザインへの取り組みと、ヤマハにおけるAV機器の設計思想と機能概要について、それぞれ述べます。
次に、両者が共有したゲームサウンドならではの特徴や事例・越えるべき課題点など、融合に向けたキーポイントの数々を紹介します。
最後に、制作側と再生機器側の様々なコラボレーションの可能性について夢を語ります。
講演者プロフィール
藤澤 森茂
2005年ヤマハ株式会社に入社。AV機器事業部にてAVアンプ等のオーディオ機器におけるデジタル信号処理部(DSP)の開発を担当。その他、デジタル信号処理技術を応用した新規要素技術の開発に従事。
《講師からのメッセージ》
ゲームサウンドのサラウンドデザインやオーディオ製品の機能・技術に関する基礎的な内容も含まれておりますので、サウンド開発者以外でも音に興味のある方にぜひ聞いていただきたいです。
大橋 紀幸
1997年ヤマハ(株)入社、AV機器事業部に配属。
AVアンプの組み込み制御ファームウェア開発およびDSPデバイス上のオーディオ信号処理の実装に従事。
現在はAV機器に搭載される各種オーディオ信号処理の開発を担当。
矢島 友宏
1996年スクウェア(現スクウェア・エニックス)入社
開発部サウンドグループのサウンドデザイナー/サウンドシステムエンジニアとしてサウンドディレクション、サウンドシステム設計、効果音作成を行う
代表作はゼノギアス、ベイグラントストーリー、聖剣伝説4、FINAL FANTASY XI~XIII
過去の講演は
AES Tokyo Convention 2005 “5.1chサラウンド制作の現在~音楽・ゲーム編”
CEDEC2006 “みんなでつくろう! ゲームサラウンド環境”
GDC 2010 FINAL FANTASY XIII's MASTS
土田 善紀
1996年スクウェア(現スクウェア・エニックス)入社。
『ベイグラントストーリー』キャラクタ・モーションプログラム、『FINAL FANTASY XII』リード・リアルタイムレンダリング・プログラマーなど主に描画プログラム畑を歩むが、2006年末よりサウンドプログラマーに転向。
現在、開発部 サウンドグループ テクニカルディレクター
過去の講演は
CEDEC 2006 『ファイナルファンタジー XII』解体新書
GDC 2007 FINAL FANTASY XII Postmortem
CEDEC 2008 サウンド・システム検討会
GDC 2010 FINAL FANTASY XIII's MASTS