日本のゲーム業界では、ゲームをテストしバグを発見することを「デバッグ」と表現し、品質の高いゲームを世に送り出し、世界のゲーム業界をリードしてきました。
一方、日本ではゲームテストを体系化し説明する書籍や文書は、エンジニアリング分野、デザイン分野などと比較すると数少ない状況です。
世界では、ゲームも含まれるソフトウェアテストを体系化する取り組みを国際ソフトウェアテスト資格認定委員会(以下、ISTQB)がおこなっています。日本では日本ソフトウェアテスト資格認定委員会(以下、JSTQB)という団体がISTQBに加盟しており、ISTQBが体系化したソフトウェアテストのシラバスを翻訳し、提供しています。
ISTQBでは、一般的なソフトウェアだけでなく、AI、自動車、そしてゲームについても、テストの知識を体系化しています。
本セッションでは、ISTQBが提供しているゲームテストを体系化したシラバスで、JSTQBが未翻訳(2024年4月時点)の「Certified Tester Game Testing (CT-GaMe) Syllabus」について、解説します。
シラバスに記載されている、ゲームをテストする上で、基礎となる知識や考え方を紹介します。
講演者プロフィール
増田 謙太郎
フリーランスのスクラムマスター。
お客様によりよいプロダクトを届けるため、アジャイル開発を通して、ものづくりをうまく取り組むという思いで、開発プロセスや組織の改善支援、アジャイル開発の研修を行っています。
2014年にアジャイル開発に出会い、2015年からスクラムマスターとして、企業向けセキュリティソフトウェアの開発を支援しました。
2021年、ゲーム業界に飛び込み、スクラムマスターとして開発を支援しています。
アドバンスド認定スクラムマスター。スクラム道関西運営メンバー。
■講演歴
CEDEC2022 動くプロダクトを軸にしたプロジェクトマネージメント〜スプリントレビューの活用方法〜
《講演者からのメッセージ》
日本のゲームのテストは、言語化されておらず、業界に長く経験された方の経験で、品質を担保している部分も多いと思います。
世界のゲームテストでは、どのような言語化がされており、どのような考え方でゲームをテストしているかを、資格試験のシラバスを通してお伝えします。
まだ日本語に翻訳されていないシラバスを日本語で講演しますので、QAの方はもちろん、ゲームの品質向上に関心をお持ちの方は、聴講いただけると嬉しいです。