本セッションでは、近年の大規模言語モデル(LLM)の発展とゲーム開発におけるその応用事例を「アセット生成」「ゲームプレイング」「キャラクターシミュレーション」の3点に分けて紹介します。次に、LLMをゲーム開発に適用する際に発生しやすい課題を「返答内容の信頼性」「出力の安定性」「ゲームルールへの適用」「生成コンテンツの多様性」「キャラクターのロールプレイング能力」の5点に分けて説明します。それぞれの課題解決に向けたバンダイナムコ研究所の取り組みを実例を交えて紹介します。
講演者プロフィール
頼 展韜
2020年に株式会社バンダイナムコ研究所に入社。現在は研究開発チームのマネージャーとして、エンターテインメント分野で生成AIを活用するソリューションの開発業務に従事。日本語版DistilBERTやLLM用感情分析Adapterの開発を担当し、複数の社内・社外向け生成AIを活用したサービスを開発・提供中。
CEDEC2021では「冴えるヒロインの作りかた ~自然言語処理AIによるキャラクター性の抽出と反映への事例紹介~」というセッションで発表。「AI王 〜クイズAI日本一決定戦〜」や「ボケの面白さを判定するAI開発コンペ」などのAI開発コンペで優勝経験あり。
《講演者からのメッセージ》
ChatGPTでゲームコンテンツ生成を試したいあなた、以下のような経験はありますか?
「生成結果に嘘やでたらめな内容が混じっている」
「指示を守ってくれない」
「ワンパターンの結果しか生成できない」
本セッションでは、ChatGPTをコンテンツ生成で利用する際によく遭遇する以上の課題と、その解決策を実例を交えて紹介いたします。
會田 翔
2014年東京大学大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻の修士課程修了。ハイパフォーマンスコンピューティング関連の研究がメイン。
2014年株式会社バンダイナムコスタジオ入社。主に湾岸ミッドナイトマキシマムチューンシリーズのサーバサイド・ネットワークエンジニアを担当。
2019年株式会社バンダイナムコ研究所へ転籍。ゲームAIの強化学習をメインで研究しつつ、LLMにも手を出す。
CodinGame GrandMaster・Kaggle Master
《講演者からのメッセージ》
ChatGPTをはじめとする大規模言語モデル(LLM)についてのセッションです。
いまどきなら皆様何かしらLLMに触れたことがあるのではないでしょうか。
Q&Aやアイディアだしの壁打ち・コードスニペットのような「出力後一旦プロンプト(LLMへの指示文)を書いた人自身の目が入る」使い方なら対話的な改善や手動修正ができて気軽に使えます。
一方、何らかのサービスのパイプライン内にLLMを組み込む場合、出力はプロンプトを書く開発者とは異なる人が読むケースが増え、対話的な改善が認められないせいで、出力の要求品質が上がってしまいます。
さてどうしましょう・・・というあたりをお話しできればと考えております。