スマートフォンゲームアプリの開発規模が大きくなってきた昨今、限られている開発期間中、多種多様な端末での品質管理が課題になります。
本発表では、「AirLab」の導入によるテストコスト削減、効率向上とアプリの品質向上について解説します。
AirLab導入と共に、各種iOS/iPad端末32台、Android端末32台を集めて社内の某所に設置し、アプリのバイナリーが更新される度に、数十台の端末で一斉にダウンロード、インストール、起動、テスト、終了までの工程を全自動で行うDeviceFarmを構築しました。この仕組みを開発中/リリース済みのタイトル問わず複数プロジェクトへ展開しました。
また、日本初の導入事例として導入できるまでの紆余曲折及びAIの搭載による今後更なる進化を紹介します。
講演資料
- CEDEC2023_AirLab_KLab株式会社_導入でテストコストの大幅削減と品質向上! 数十台の端末を一斉に全自動テストできる社内DeviceFarmについてご紹介.pdf
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講演者プロフィール
許 信勇
大卒後2009年に日本留学へ
2013年に株式会社コナミデジタルエンタテインメントに新卒入社
2015年にKLab株式会社に入社
長年にわたって、KLab内製のゲームエンジンであるPlaygroundの開発と保守の傍らで、Unityのネイティブライブラリとミドルウェアの開発、またはアプリのセキュリティー推進と品質改善などの活動もしていました。
最近、自動テストの環境整備やプロジェクトへの導入サポートとブロックチェーンの開発も行っています。
《講演者からのメッセージ》
「私が書いたコードにバグなんかありません、テストで見つかるまではね。」
「リリースする前にこんなバグを見つけたら、5分で直せるはずなのに...」
「バグを意図的に再現できたら、デバッグ作業の90%は終わった。」
「エンジニアはね、やっつけたバグの量で経験値を得てレベルアップするんだ。」
村上 雅裕
KLab株式会社 エンジニアリング本部 執行部/Unityエキスパートグループ グループマネージャー。
2012年にKLab株式会社に中途入社。
入社後は、iOSエンジニア→Unityエンジニア→開発リーダー→プロジェクトマネージャーを担当。
技術的にはC/S→Web→iOS→Unityなどを経験。いわゆる雑食系。
現在は開発組織作り、Unity関連の横断組織のマネジメントに従事。
《講演者からのメッセージ》
モバイルゲームのリッチ化、グローバル化に伴い、テストの重要性が益々大きくなってきています。
グローバルで成功するには、様々な環境で快適に遊べることを担保する必要がありますが、
大量の端末・OSの組み合わせの全てを手動でテストするには、コスト的に現実的ではありません。
この課題を解決するために、KLabでは、大量の端末を集中管理し、テストの同時実行ができるデバイスファーム(AirLab)の導入を進めてきました。
本発表では、AirLabを導入し、アプリのダウンロード〜テストまでの一連の流れを全自動化したテスト環境構築の事例を紹介したいと思います。
テストの効率化や品質向上に興味のある方は、ぜひこのセッションにご参加ください。
河村 新太郎
セキュリティソフトウェアの開発に7年従事した後、品質管理の分野に転向。
品質管理では開発者であった頃の知見を活かし、ソフトウェアテストへの自動テストの導入に取り組む。
2018年にKLabに入社し、様々なゲームタイトルのテストマネジメントに携わりつつ、ゲームテストの自動化を行っている。
《講演者からのメッセージ》
KLabでは品質担保とテストコスト削減の両立を実現するために、数年前よりテストの自動化に取り組んでいます。
AirLabを導入することに対して、QAの視点から感じるメリットや、テスト現場での活用事例などをご紹介できればと思います。