FINAL FANTASY VII REMAKEのテスト自動化から始まった自動テストプラットフォームも現在は平均して4タイトルを同時並行にサポートするマルチテナント型自動テストプラットフォームとなりました。
各タイトルには対応プラットフォームや開発形態(内製、外部委託、最終QAは社内で行うハイブリット)、開発基盤などが異なるだけでなく、自動テストに求めるものも大きく異なります。
各タイトルが求める自動テストのシナリオを、自動テストプラットフォームは適切に機材に割り当て、最大限に各タイトルの要望に応えるものである必要があります。
本セッションでは、このようなマルチテナント下で適切なテスト実行を実現するための以下のような基盤技術について解説します。
・タイトルごとの必要なテストを定義し、優先度を動的に決定するテスト・スケジューラー
・頻繁なパッケージ・リリースに対して限られた機材に対し、適切なテストを割り振るスライス・固定パッケージメカニズム
・タイトルごとの開発基盤 (バージョン管理ツール、テストパッケージの格納場所) の違いを吸収するビルド・パッケージ同期メカニズム
・ネットワーク帯域の問題を低減するキャッシュ・メカニズム (ビルド・パッケージ)
・機材の利用効率を最大化する先行ビルド、オンデマンド・パッケージ・インストール
・一つのタイトルの開発基盤やビルド問題、また特定の機材自体の問題で、自動テストプラットフォーム全体を停止させないレジリエント機能
・タイトル固有のデバッグ・メニューに依存しないセーブゲーム・メカニズム
また、導入として、実際のサポートタイトルとして、大きく異なった特徴と開発形態を持つ3つのタイトル、FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE、ヴァルキリーエリュシオン、ドラゴンクエストX オフラインについて、デモを交えながら、各タイトルでの自動テストのサポート内容について解説します。
講演者プロフィール
太田 健一郎
BtoB, BtoCの様々な業界において、テスト自動化支援を経験後、現在は株式会社スクウェア・エニックス 品質管理 QSTDにおいて自動テストプラットフォームの開発・運用を担当。
過去の講演
CEDEC 2020 "FINAL FANTASY VII REMAKE"における自動QAシステムの構築と運用"
https://cedil.cesa.or.jp/cedil_sessions/view/2200
《講演者からのメッセージ》
自動テストプラットフォームの開発・運用にご興味のある方、ご聴講を検討頂けると幸いです。