ゲームの盛り上がりやシーンに応じてBGMが動的に変化していく 「アダプティブ・ミュージック(インタラクティブ・ミュージック)」 をどのような技術で実現するのか、デモを交えながら解説します。
ゲームのシチュエーションに応じてBGMの構成要素やピッチ、 速度などをリアルタイムに変化させるための技術をご紹介します。
また、MIDIの拡張フォーマットであるIXMF(Interactive eXtensible Music Format)
について概要や実際のゲームでの活かし方などを解説します。
10年以上に渡り研究してきた「マルチストリーミング」技術についても解説します。
実際の活用例として、アルトネリコシリーズのサウンドを手がけた 株式会社ガストの土屋暁氏を招き、今秋発売予定のタイトルで 実際に使われている「アダプティブミュージック」についてお話しいただきます。
インタラクティブに変化する音によって、ゲームの楽しみ方に更なる広がりを
ご提案できれば幸いです。
講演者プロフィール
押見 正雄
早稲田大学理工学部を卒業後、株式会社CSK総合研究所に入社。人工知能技術、マルチメディア技術の研究開発に従事した後、セガサターン、ドリームキャストなどのゲームコンソールの基本ソフト開発に携わる。
(株)CRI・ミドルウェアとして独立後は、多様なプラットフォームでミドルウェアの展開を進めている。ゲームに関わる音声と映像のミドルウェアを開発して14年、現在、代表取締役専務CTO。ミドルウェアの製品開発から販売まで、全体を統括している。
土屋 暁
1998年、サウンド職として株式会社ガストへ入社。エリーのアトリエなど、アトリエシリーズ4作品のBGM、効果音を手がける傍らで、プランナーとしても活躍。ゲーム仕様の構築からシナリオの作成まで幅広く手がける。
2005 年より、アルトネリコプロジェクトのディレクターとして活動を開始。サウンド出身ディレクターとしての強みを活かし、全10曲以上にも及ぶ壮大な楽曲により世界観を構築し、ゲーム業界のみならず、音楽業界をも巻き込み話題を呼ぶ。常に何か、今までにない新しいものを生み出そうと、日々アンテナを張り活動中。
代表作『アルトネリコ』『アルトネリコ2』など
講師からのメッセージ
次世代機は、ヴィジュアル面の飛躍的な発展に焦点が当たりがちですが、音響方面でも大きな可能性を秘めています。多チャンネルマルチストリーミングの可能性から生み出された「アダプティブミュージック」は、真にゲームならではの、ゲームだからこそ出来る新しいサウンドの形を創造しています。
この「次世代機ならではのサウンドアプローチ」が、皆さんの創作意欲を更にかき立てることを信じて止みません。