ゲームにおけるIPv6向けUPnPの活用可能性と実装検証

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日時:
2022年08月25日(木)11時20分〜12時20分
形式: レギュラーセッション(60分)
プラットフォーム: コンシューマ PC モバイル
受講スキル:
・TCP/IP, UDP/IP, Socketプログラミング, NAT越えに関する基礎知識 ・家庭用ルータ, モバイルルータ, モバイル通信回線に関する基礎知識 ・IPv6・共存技術に関する基礎知識
受講者が得られるであろう知見:
・IPv6のゲーム通信におけるUPnPの意味、可能性 ・家庭用ルータのIPv6向けUPnPの実装、及び、対応するクライアントの実装手法
セッションの内容

P2P通信やクラウドゲーミングのQoS制御において、ゲームクライアントは家庭用ルータに対してUPnPを用いた制御を行い、古くからユーザ経験を向上させてきた。
近年、ゲームユーザのプレイ環境としてのIPv6は広く普及した。だが一方で、UPnPのIPv6対応はゲーム業界・ルータベンダー共に進んではおらず、このことはゲーム通信のIPv6対応に対する足枷にもなっている。
この課題を解決すべく「株式会社コナミデジタルエンタテインメント」「NECプラットフォームズ株式会社」2社が中心となりIPv6向けUPnPの試験実装と検証を始めている。
このセッションでは、共同検証過程で得られた実装例・課題を共有し、近年実装されるルータのIPv6向けのUPnPにゲームがどう対応してゆけばよいのか、どういった効果が期待できるのかを解説することで、業界としてインターネット標準技術を使いこなしてゆくことを目指す。

※ JANOG49で行われたセッション「IPv6版ポート解放!? UPnPでWANIPv6FirewallControlを使ったゲームのP2P通信をしてみた!(https://www.janog.gr.jp/meeting/janog49/lt8/)」をさらに掘り下げ、ゲーム業界向けの実践的な内容を盛り込んだ講演になります。


講演資料

  • ゲームにおけるIPv6向けUPnPの活用可能性と実装検証.zip

※資料のダウンロードにはログインが必要です。


講演者プロフィール

佐藤 元彦

佐藤 元彦
所属 : 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
部署 : 制作支援本部 技術開発部
役職 : スタッフ

2008年 株式会社コナミデジタルエンタテインメント入社。
オンラインゲームのネットワーク技術開発、特にNAT越えアルゴリズム、IPv4/v6デュアルスタックP2P通信ライブラリの開発を担当。近年はWANエミュレーションやモバイルネットワーク、IPv6/共存技術の研究にも注力。

■ 最近の講演
JANOG49:IPv6版ポート解放!? UPnPでWANIPv6FirewallControlを使ったゲームのP2P通信をしてみた!
CEDEC2021:ゲームトラフィックの動向と課題、それに対する5G関連技術の可能性
CEDEC2020:次世代機開発におけるIPv6実用のために必要な環境構築・検証・調査手法

《講演者からのメッセージ》
IPv6環境が一般家庭に普及し、ゲーム通信の一部ではIPv6が用いられることが自然と増えてきました。
しかし、未だにIPv4 onlyにせざるを得ないものも多く、現実的にこれらをIPv6対応させてゆくには色々な課題が残っています。

ゲームの通信環境は、ゲーム会社・通信事業者・通信機器ベンダー・ユーザの皆が協調しなければ、なかなか変えてゆくことはできません。また、特定の事業領域から見た価値観でのみ通信技術を語ってしまっては、不幸になってしまう人が生まれがちです。(ちょうど今回のセッションでお話しするUPnPのように!)

CEDECという場で情報発信をすることで、今後のゲーム通信環境について、多方面に共通の課題認識・解決方向性を持ってもらえるよう、知見を共有したい。

川島 正伸

川島 正伸
所属 : NECプラットフォームズ株式会社
部署 : プロダクト戦略室

証券会社やISPのネットワーク設計/構築業務、法人/民需向けルータ製品の企画/開発業務を経験後、
海外での新規事業開拓に従事。現在はプロダクト戦略室にて全社横断でのプロダクト戦略を担当。
また、IPv6の専門家としてIPv6関連プロジェクト支援、IPv6技術調査研究、業界活動を担当している。
IETFにおけるRFC5952, RFC6877, RFC8585共著者。各種業界イベントでのプレゼン/講演。
IPv6普及・高度化推進協議会IPv6家庭用ルータSWG部会長。
JAIPA ゲーム・エンタメのネットワーク接続性に関する課題検討WG副主査。
【NECプラットフォームズのIPv6に対する取り組み】
https://www.aterm.jp/product/atermstation/special/ipv6/ipv6_achievement.html

《講演者からのメッセージ》
日本国内において、NTT 東西によるフレッツ光ネクストの NGN IPv6 契約者数は1,800 万契約を超過、NGN IPv6 普及率も 80% を超える状況(2021年3月時点)となっており、IPv6 サービスの本格的な普及が進んでいます。IPv6 サービスの普及と同時に各 VNE 事業者による IPv6 マイグレーション技術を使用した IPv4 over IPv6 サービスの普及も加速しています。このような状況下、IPv4品質の劣化が進んでおり、IPv6への早期移行が望まれる状況となっています。本セッションではゲームにおけるUPnP IGDv2(IPv6に対応)の活用可能性と実装検証の結果を皆さんと共有し、IPv6普及促進の一助になればと考えています。

平野 郁也

平野 郁也
所属 : NECプラットフォームズ株式会社
部署 : アクセスソリューション事業部
役職 : ソフトウェアエンジニア

2014年NECプラットフォームズ入社。
入社当初より民需向けルータ「Aterm」シリーズの開発業務に従事。業務でIPv6に触れる機会が多いためIPv6に興味を持ち始める。
IPv6普及・高度化推進協議会IPv6家庭用ルータSWGが標準化を行った「IPv6マイグレーション技術の国内標準プロビジョニング方式」の検討メンバーとして活動し、標準化に貢献した。

《講演者からのメッセージ》
ルータとゲームにおけるIPv6環境対応に向けた有用なアプローチの一つとしてご紹介できればと思っています。