メタバースがゲームと異なる部分を紹介し、特に「ユーザーが3Dデータを外部から持ち込める」「cross-platform」「Webサービスのようにユースケースの変化に追従し続ける必要」の3点に注目し、技術的設計方針・設計事例を解説します。
VRデバイスとスマートフォンが混在するユニークな状況に対して、アバター・アイテムなどの空間内オブジェクトを、「3Dデータをどう扱うか」(自動リダクション・配信パイプライン)、「位置情報をどう扱うか」(データ形式と通信でのLOD)の設計事例を紹介します。
全体の総括として、client/server全体のアーキテクチャの設計を柔軟に維持するための方針を述べ、過去に実施してきた施策(リアルタイムサーバーの置き換え、通信プロトコルの独自開発など)と未来の改善余地を説明します。
講演者プロフィール
xyx / Daiki Handa
Googleでsenior software engineerとしてMapsのUGC関連機能の開発に関わる。その後、2019年にクラスター社に入社。現在ではengineering manager / architectとして主に3D空間を扱うチームのマネジメントとサービス全体の技術設計を行っている。
《講演者からのメッセージ》
近年話題のメタバース。その本質のひとつは、ユーザーにとって身体や世界そのものであるコンテンツをユーザー自身が簡単に・自由に作り変えられることにあります。デバイスの差異や計算機内でのデータ表現を意識せずとも、空間が同期されて「体験」となること。これを実現するのはユニークな技術的課題です。3Dデータ処理と同期という観点から、どのような設計思想をもってメタバースというものが開発されているかをお伝え出来ればと思います。