NHK イマーシブオーディオ 収録の現場とサウンドデザイン

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日時:
2022年08月24日(水)14時50分〜15時50分
形式: レギュラーセッション(60分)
受講スキル:
マルチチャンネル収録・編集に興味のある方 ゲームオーディオ制作に従事する方
受講者が得られるであろう知見:
NHKでのサラウンド音収録方法 MAでの音のマッピング AMBISONICSとの併用など
セッションの内容

このセッションでは、NHKのスーパーハイビジョン 22.2 ch サラウンドの番組制作に携わっている山田 正幸様、栗野 将基様をお招きし、マルチチャンネルサラウンド収録の歴史、ツール開発、現在の収録の様子についてご紹介いただきます。また、マルチチャネル素材音と 22.2 的発想で作る音のマッピングやAMBISONICS について、イマーシブオーディオの MA におけるサウンドデザインの工夫など、考え方から実践的な技術まで含めて、ご紹介いただきます。


講演資料

  • cedec presentaion 2022 最終版 08252000.pptx

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講演者プロフィール

山田 正幸

山田 正幸
所属 : 日本放送協会
部署 : デザインセンター 音響デザイン部
役職 : チーフリード

1995年NHK入局。広島県出身。入局以来。主にドラマ番組の音響デザインに従事。音響デザイナーとして、作曲コーディネーション・選曲・効果音制作・フォーリー・MAをおこなう。近々では連続テレビ小説「エール」土曜ドラマ「ひきこもり先生」等を制作。3D音響の世界では、2012年より8K制作に関わり。8K「ルーブル・永遠の美」「サカナクションライブ2017」「南極地底湖」等を22.2chサラウンドで制作。それ以来、多ジャンルの番組制作に関わり、現在来春のNHKスペシャル「恐竜超世界2」の制作を行っている。22.2chサラウンドスキルをベースに、3Dイマーシブオーディオ番組制作や3D音声フォーマット変換の検証を継続中。現在は番組を担当しながら、NHK音響デザイン・ドラマグループ統括として若手の育成にも取り組んでいる。

《講演者からのメッセージ》
NHKの22.2chサラウンドの制作を通して、テレビというパッシブメディアにおける3D音響の可能性を試行錯誤してきました。ゲームとテレビドラマのサウンドデザイン・多少違うかもしれませんが、今の我々の状況をお伝えできればと思います。AMBISONICSは我々も始めたばかりで経験値はそんなにあるわけではありません。それでも、今までNHKが継続してきたマルチチャンネルでの収録やMAでの工夫がなんかしら、皆様の役に立てれば幸いです。是非皆様からのご意見も頂き、「うちはこうしてる」「こうしたら、ああ聞こえる」みたいな「3D音響あるある」が聞けることを楽しみにしています。

栗野将基

栗野将基
所属 : 日本放送協会
部署 : デザインセンター 音響デザイン部
役職 : エキスパート

2003年NHK入局。宮崎県出身。入局以来、自然・科学番組等のドキュメンタリー番組、ドラマ番組などを担当、現在はスーパーハイビジョン番組の音響デザインに従事。音響デザイナーとして、作曲コーディネーション・選曲・効果音制作・フォーリー・MA、ライブラリー収録ロケを行う。3D音響の世界では、2014年より8K制作に関わり。「シリーズ大英博物館」「シリーズ8Kニッポン」等を制作。近年は、科学番組「コズミックフロント」のプラネタリウム・ドーム映像への展開等で、22.2ch以外のマルチチャンネルフォーマットでのコンテンツ制作も行っている。
また、22.2ch番組のロケにも多数参加し、2017年に「南極大冒険」オーストラリア・ニュージーランド16chサラウンドロケ、2020年には、種子島でH2Aロケット打ち上げの16ch収録を行った。

《講演者からのメッセージ》
22.2chをベースとした立体音響の世界に入って8年間、8K番組の制作に関わってきました。近年は、放送から展開したプラネタリウムやドーム映像コンテンツの制作にも関わっていまして、5.1chや22.2ch放送のフォーマットにとらわれない音の配置に関しても実験を重ねてきています。
しかし、ゲーム業界で使われているオブジェクトベース、Ambisonicsなどのフォーマットはまだまだこれからと言ったところで、今回のような場で皆様から実用例などをご教示いただけますと幸いです。
今回は、チャンネルベースではありますが、これまでフィールドロケで行ってきた16ch収録の機材や録音方法に関して、お話できればと思っています。