本セッションでは、FINAL FANTASY VII REMAKE で使用されたキャラクターアニメーション技術について説明します。
主にアニメーションレイヤーの構成や、アセット数を抑えるためのプロシージャルアニメーションについて取り上げます。
大量のフィールドイベント/バトルアクションを処理する中で、どのようにアセットを構成し、
クオリティラインと自動生成のバランスを取ったのかを具体的に解説致します。
特にフェイシャルアニメーションについては本作で最も多くのプロシージャル技術に取り組んだ部分なので、重点的に解説致します。
講演者プロフィール
原 龍
2009年に新卒でゲーム開発会社に入社後、ゲームプレイプログラム、社内ライブラリ開発、データベース最適化、UE4の技術サポート等を幅広く担当。
2017年の FINAL FANTASY VII REMAKE 開発スタッフ募集に合わせて株式会社スクウェア・エニックスに入社。
今作ではキャラクターアニメーション制御を中心に、各種ツール開発、アーティスト作業環境整備、テクノロジー推進部が提供する技術の導入等を担当。
《講演者からのメッセージ》
ゲームグラフィックスは目まぐるしい速度で進化し続けていますが、リアルになればなるほど脳内補完で補える領域が狭まり、ちょっとした違和感が没入感の低下へと繋がります。
違和感を無くすためにはキャラクターが様々な状況に対して適切な動きをすることが必要ですが、全ての状況を想定してモーションをつけることは現実的ではなく、ランタイムで補正処理を行うためのコントロールリグやアニメーションの自動生成が重要になってきています。
試行錯誤の連続でしたが、今作で取り組んだ内容の着地点について共有できればと思います。
岩澤 晃
2000年にスクウェアに入社。キングダムハーツシリーズ、FFⅦ アドベントチルドレン、クライシス コア -FFⅦ-、The 3rd Birthday、FF零式、ライトニング リターンズ FFXⅢ 、ドラッグ オン ドラグーン3、FFXVの開発に参加し FINAL FANTASY VII REMAKE のフェイシャルディレクターとしてキャラクターの表情全般を担当。
FFXVのキャラクターセットアップに関するセミナーにてフェイシャルパートを担当。
https://spark.adobe.com/page/qT5lDllZ9BwdL/
《講演者からのメッセージ》
FINAL FANTASY VII REMAKE ではカットシーン以外のイベントシーンでも音声解析による自動リップシンクや感情の解析、自然な視線の動きなどを取り入れることでクオリティの差を少なくしようとしました。本セッションではその成果とこれからの課題等を話せたらと思います。