昨年のCEDEC講演「[JANOGxCEDECコラボセッション] ネットワーク事業者と語るインターネットのゲーム通信(https://cedec.cesa.or.jp/2019/session/detail/s5cd41730206fa.html)」や Internet Week講演「Hello IPv6, Good bye IPv4 ~ 実例から学ぶ、IPv4を使い続ける努力とIPv6を使い始める努力 ~(https://www.nic.ad.jp/iw2019/program/s02/)」などでも語られているように、
- 固定回線の通信品質として IPv4(PPPoE) < [大きな格差] < IPv4(IPoE)< IPv6
- モバイル回線の通信品質として IPv4(CGN) < [大きな格差] < IPv4(共存技術) < IPv6
であることが一般にも周知され、IPv6対応を検討するに値する時代に漸く突入した。
ソフトウェア側でIPv6対応の実装をすることは自体は、難しくはないし、これまで散々語られてきたことだろう。 しかし、開発環境の構築・検証・フィールドテストといった観点からみると、未だ課題が残っており、これらを解決しない限りIPv6検討のその先には進むことは難しい。
では「次世代機」や「iOS/Android」において、IPv6を検討する際に必要な課題、そしてその解決方法とはなんだろうか?
本セッションでは、まず、開発環境の構築・ソフトウェア開発/検証・フィールドテストの各過程で課題となるIPv6の要素を、現場での問題事例や昨今のインターネット環境の変化・仕組みを交えつつ、解説を行う。
そして、それぞれの観点に対する解決方法として、下記の紹介・解説・実機デモを行う。
- 環境構築: 主要開発機器が全てIPv6通信可能な、社内のIPv6インフラ構成をベストプラクティスとして紹介
- 開発・検証: 独自に開発したトラフィック可視化機器(OSSとして公開予定)を用いたIPv6対応・検証事例をデモを交えて紹介
- フィールドテスト: 上記機器を用いたフィールドテストの事例をデモを交えて紹介
講演者プロフィール
佐藤 元彦
2008年 株式会社コナミデジタルエンタテインメント入社。
オンラインゲームのネットワーク技術開発、特にNAT越えアルゴリズム、IPv4/v6デュアルスタックP2P通信ライブラリの開発を担当。近年はWANエミュレーションやモバイルネットワーク、IPv6/共存技術の研究にも注力。
最近の講演
JANOG43:IPv4/IPv6デュアルスタックなリアルタイムP2P通信を行うオンラインゲームにおける、現在の国内/海外ネットワーク環境と、それに対する検証環境の構築手法
CEDEC2018:コンシューマー・モバイルタイトルでIPv4/IPv6デュアルスタックなP2P通信をサポートしてきた中でやった事
《講演者からのメッセージ》
ここ数年のIPv4の品質劣化とIPv6の普及により、IPv6対応を検討するに値する時代に漸く突入した。
ソフトウェア側でIPv6対応の実装をすることは自体は、難しくはないし、これまで散々語られてきたことだろう。 しかし、開発環境の構築・検証・フィールドテストといった観点からみると、未だ課題が残っており、これらを解決しない限りIPv6検討のその先、すなわち製品への投入に進むことは難しい。
今回は「次世代機」や「iOS/Android」において、IPv6を検討する際に必要な課題、そしてその解決方法...
これらについてじっくりと説明する機会が得られたので、あまり語られてこなかったIPv6採用の上で必要となる、そういった技術や考え方を共有したい。