次世代機開発におけるIPv6実用のために必要な環境構築・検証・調査手法

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日時:
2020年09月02日(水)13時00分〜14時00分
形式: チュートリアル
プラットフォーム: コンシューマ PC モバイル
受講スキル:
- IPv6開発・検証のためのネットワーク構築に関わっていて、アドレス管理/DNS・ゲートウェイ情報配布の方式について、どれを採用すべきか悩んでいる人、もしくは、特定機器のIPv6通信が不安定になる等のトラブルに直面し、悩んでいる人 - 「Happy EyeBalls(RFC 8305)」「CDN/MEC(5G)におけるIPアドレス/DNS依存のEdge Control」「独自/SDK内部のデュアルスタック実装」が動作する機能の開発・検証おいて、特定のIPバージョンに絞ったデバッグやトラブルシュートが適切に行えずに悩んでいる人、もしくは、低コストで出来ずに悩んでいる人 - 異なる時間・場所において、プロトコルに応じたIPv4/IPv6の短期・継続的メトリクス計測を、低コストでカジュアルに行えるツールを探している人
受講者が得られるであろう知見:
- 新しいOS/ハードウェアでIPv6が適切に動作するネットワーク環境の構築手法、既存IPv6環境で動作しない場合に確認すべきチェックポイント - デュアルスタック実装行った際にチェックすべきポイントとその際のデバッグ・検証手法 - 様々な場所におけるカジュアルな IPv4/IPv6 x プロトコル別 メトリクス測定手法 - "IPv6はあくまでOptionで、IPv4で動けばいい" というネガティブな姿勢からの脱却
セッションの内容

昨年のCEDEC講演「[JANOGxCEDECコラボセッション] ネットワーク事業者と語るインターネットのゲーム通信(https://cedec.cesa.or.jp/2019/session/detail/s5cd41730206fa.html)」や Internet Week講演「Hello IPv6, Good bye IPv4 ~ 実例から学ぶ、IPv4を使い続ける努力とIPv6を使い始める努力 ~(https://www.nic.ad.jp/iw2019/program/s02/)」などでも語られているように、

- 固定回線の通信品質として IPv4(PPPoE) < [大きな格差] < IPv4(IPoE)< IPv6
- モバイル回線の通信品質として IPv4(CGN) < [大きな格差] < IPv4(共存技術) < IPv6

であることが一般にも周知され、IPv6対応を検討するに値する時代に漸く突入した。

ソフトウェア側でIPv6対応の実装をすることは自体は、難しくはないし、これまで散々語られてきたことだろう。 しかし、開発環境の構築・検証・フィールドテストといった観点からみると、未だ課題が残っており、これらを解決しない限りIPv6検討のその先には進むことは難しい。

では「次世代機」や「iOS/Android」において、IPv6を検討する際に必要な課題、そしてその解決方法とはなんだろうか?

本セッションでは、まず、開発環境の構築・ソフトウェア開発/検証・フィールドテストの各過程で課題となるIPv6の要素を、現場での問題事例や昨今のインターネット環境の変化・仕組みを交えつつ、解説を行う。

そして、それぞれの観点に対する解決方法として、下記の紹介・解説・実機デモを行う。

- 環境構築: 主要開発機器が全てIPv6通信可能な、社内のIPv6インフラ構成をベストプラクティスとして紹介
- 開発・検証: 独自に開発したトラフィック可視化機器(OSSとして公開予定)を用いたIPv6対応・検証事例をデモを交えて紹介
- フィールドテスト: 上記機器を用いたフィールドテストの事例をデモを交えて紹介


講演資料

  • CEDEC2020_Public.pdf.zip

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講演者プロフィール

佐藤 元彦

佐藤 元彦
所属 : 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
部署 : 技術開発部
役職 : スタッフ

2008年 株式会社コナミデジタルエンタテインメント入社。
オンラインゲームのネットワーク技術開発、特にNAT越えアルゴリズム、IPv4/v6デュアルスタックP2P通信ライブラリの開発を担当。近年はWANエミュレーションやモバイルネットワーク、IPv6/共存技術の研究にも注力。

最近の講演
JANOG43:IPv4/IPv6デュアルスタックなリアルタイムP2P通信を行うオンラインゲームにおける、現在の国内/海外ネットワーク環境と、それに対する検証環境の構築手法
CEDEC2018:コンシューマー・モバイルタイトルでIPv4/IPv6デュアルスタックなP2P通信をサポートしてきた中でやった事

《講演者からのメッセージ》
ここ数年のIPv4の品質劣化とIPv6の普及により、IPv6対応を検討するに値する時代に漸く突入した。

ソフトウェア側でIPv6対応の実装をすることは自体は、難しくはないし、これまで散々語られてきたことだろう。 しかし、開発環境の構築・検証・フィールドテストといった観点からみると、未だ課題が残っており、これらを解決しない限りIPv6検討のその先、すなわち製品への投入に進むことは難しい。

今回は「次世代機」や「iOS/Android」において、IPv6を検討する際に必要な課題、そしてその解決方法...
これらについてじっくりと説明する機会が得られたので、あまり語られてこなかったIPv6採用の上で必要となる、そういった技術や考え方を共有したい。