株式会社バンダイナムコスタジオは、ナムコ直系の開発者集団。半世紀に渡ってゲームを作り続けてきました。
そのナムコ時代、特に黎明期の80年代初頭から90年代にかけて描かれた、ビデオゲームの製品の顔となる「キービジュアル」の手描き原画の発掘と整理保存の現状。
ビデオゲーム史におけるその役割の変化。キービジュアルに求められるもの、その価値。
現代のアートディレクターがキービジュアル制作をする時に必要なものとは?
などを解説していきます。
講演者プロフィール
指田 稔
1990年、ナムコ入社。現バンダイナムコスタジオ所属。
エレメカマシンや業務用タイトルのデザイン・ディレクションを務めた後、90年代後半から「テクノドライブ」「エースコンバット3」「ミスタードリラーシリーズ」「機動戦士ガンダム一年戦争」他、複数のタイトルのUIデザイン、アートディレクターを務める。その後、キッズカードゲーム「百獣大戦アニマルカイザー」シリーズのアートディレクターなどを経て、現在はオンラインPCタイトルのUIチームリードアーティストを務める。
通常業務の傍ら、ナムコ時代からのデザイン資料・アートなどの保全を行っています。
《講演者からのメッセージ》
「目が前向きについているのはなぜだと思う?前へ前へと進むためだ!ふりかえらないで、つねに明日をめざしてがんばりなさい」
のび太の担任教師が言うように、ゲーム業界は常に後ろを振り返らず革新を求めて突っ走ってきました。しかし、その歴史も半世紀。半世紀続いたものはもう文化であり、ビデオゲームという芸術の歴史であります。その歴史の中には先人たちの知恵と努力と涙と汗などの分泌物が詰まっているわけです。成功例であろうと失敗例であろうとそこから学べるものは大きく、過去を読み解くこともまた、未来へ進む燃料となりえるでしょう。