プロシージャル法とは、ルールを定義し作業をすることで、作業の自動化やデータ量の少量化を促し、より多くの反復や試行錯誤を通して異なる可能性やバリエーションの提供、その結果、エラーの低減、土壇場での修正の痛みの緩和、少人数での高生産性、高品質性を促進します。
モバイル商材はリリースして運営に入ってからも継続的なコンテンツの追加が必要ですが、こうした継続的なコンテンツ追加を従来の方法で毎回一から作っていくと凄まじいコストがかかります。対し、プロシージャル手法による非破壊なアセットやアーカイブ化を利用する事で、必要なコンテンツを効率的に生産していくことができきます。
このセッションは2コマ連続のセッションの第1部で、モバイルゲーム開発でのプロシージャル法を使った最も典型的な事例を実際のタイトルである
- 「Exile Skies」制作でのプロシージャル法の導入 (DMM.com Vouldisさん)
- 「禍つヴァールハイト」制作でのエフェクト制作 (KLab 佐々木さん)
という順番でし、プロシージャル法のモバイルゲーム開発での有効性を紹介します。
講演者プロフィール
多喜 建一
2005年、エイリアスシステムズ在籍時にカナダ・トロントに移り、Maya の国際化プロダクトマネージャとして Maya 国際化・日本語化の開発に携わる。2013年1月より SideFX トロント本社において日本の Houdini ユーザ支援および営業・マーケティングの管理を担当。以降、7回以上のレギュラーセッションとスポンサーセッション経験あり。カナダ、トロント在住15年。CG業界歴25年超。
《講演者からのメッセージ》
今年も幸運に恵まれ、4人の達人の方にお手伝いいただき、講演を2コマ行える運びとなりました。今年はモバイルゲーム開発におけるプロシージャル法に特化した内容を提供、ハードに制限の多い環境でのメリットをお伝えできればと思います。オンライン開催という初めての経験になりますが、満足いただける内容を提供したいと考えています。
佐々木 洋太
アニメ制作会社、3DCG制作会社で主に2D・3Dのエフェクト・コンポジット・映像制作に携わった後KLabに入社。入社後は先端VFXの技術検証に携わりつつ「禍つヴァールハイト」のカットシーン制作に参加。現在は新規プロジェクトへの協力や、高度なVFXの技術検証及び社内導入・制作力向上への貢献を技術・アートの双方から行っている。
《講演者からのメッセージ》
ご覧頂きありがとうございます。昨今のモバイル開発に関わるVFXアーティストの立場からプロシージャルテクニックについて2点ほどお話させて頂きます。
1点目は「布やソフトボディといったPosition Based Dynamicsのプロシージャルアセット化」です。また、それらをボーンベースアニメーションにコンバートすることでVertex Animation Textureが動作しないような端末でも使用するプロシージャルテクニックもご紹介したいと思います。
2点目は「炎や爆発等のエフェクト素材やFlowmap・Motionvectorといった各種マップ素材の生成ギミックの非破壊アセット化」です。高品質・高効率が求められる昨今の作業環境において有用な非破壊アセットについて幾つかご紹介致します。
ヴォルディス ザントス
DMM GAMES ゲームディレクター
生涯にわたるテーブルトークRPGのプレイヤーで、コンピューターサイエンスの経験があります。ゲームを作っていない時は、ドラムを叩いたり、スノーボードに行ったり、スパイシーな料理に手を出したりしています。
過去のトークと活動:
https://www.sidefx.com/ja/community/exile-skies-dmm/
https://www.linkedin.com/feed/update/urn:li:activity:6625637592257880064/
《講演者からのメッセージ》
どんなに複雑なものでも、すべてのシステムはシンプルなパーツから成り立っています。これが "プロシージャリズム" のコンセプトの核心です。
このトークで参加者は、最小限のリソースで広大な世界を作るためのシンプルな"プロシージャル ジェネレーション" のテクニックを学びます。