CEDEC2017のAmbisonics講演以降、複数のプロジェクトでAmbisonicsを導入してきました。それらの経験、実体験からいままでのゲームにおけるイマーシブオーディオの基本でもあった、Channel-Base、Object-Baseに加え、Ambisonicsを使うメリットと必要性が分かってきました。特に高さ含むゲームサウンドの3D表現に欠かせない3D Panningの新たな発見もあり、改めてゲームサウンドにおいてAmbisonicsを活用する方法を考えます。
前半はAmbisonicsフォーマットを導入したプロジェクト概要の説明と、導入にいたった技術的判断、そして音響的メリットデメリット、ビジネス的メリットデメリットといった知見共有を行います。後半はそれらのプロジェクトを通して体感した、ゲームのObject SoundでAmbisonic Panning(Ambisonic Bus)を導入する必要性、そして技術的解説(中学数学レベルの内容)を解説します。
講演者プロフィール
牛島 正人
過去CEDEC公演
・ソーシャルゲームでラウドネスコントロールを実現するためのワークフロー構築と考察
・リニアとノンリニアの融合! VRコンテンツ制作の未来
・サウンドリストはもう不要!?インタラクティブ・サウンドデザインのアウトソーシング事例
・基礎から応用 3DサウンドAmbisonicでなにができる?
・神っているダイアログ(ボイス、台詞)ワークフローの決定版! 劇的工数削減をモバイル、AAA、VR/ARへ
《講演者からのメッセージ》
ambisonics=VRという理解は本質を見失っています。テクニカル/クリエイティブ両方の側面からambisonicsの技術的コンセプトを解説し、ステレオ/サラウンド/イマーシブオーディオの垣根、リニア/ノンリニアの垣根を超えた、私なりの解釈を提示させて頂きます。幾つかのプロジェクトでambiosnicsを使ったサウンド制作の実体験を元に、皆さんの業務に直結する知見を共有させて頂きます。