光沢反射面に映りこむ炎と煙の新表現 -層化仮想面光源を用いた自己発光ボリュームの実時間大域照明法-

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日時:
2019年09月04日(水)17時50分〜18時15分
形式: ショートセッション(25分)
受講スキル:
物理ベースのレンダリングに関する背景知識をある程度有する方。 シェーダ言語を用いた実時間のボリューム(煙や炎)の表現に興味がある方。
受講者が得られるであろう知見:
レンダリングに関する基本知識はもちろんのこと、特にボリューム・レンダリングに関する専門的な概念を簡単に解説いたします。 また、実時間ボリュームレンダリングを可能にする提案法の理論や実装の詳細、また実際にどのような結果が得られるかをご紹介いたします。
セッションの内容

本セッションは実時間レンダリングにおいて、これまで計算リソースの関係で扱うことが難しかった炎や煙が光沢反射面に映り込む表現を可能とする新しい計算アルゴリズムについて紹介する。セッション中ではボリューム・レンダリングの基本概念を紹介した後に爆発や煙などのボリュームを仮想的な面光源に分割することで、ボリュームの映り込みを含む大域照明の効果を高速に計算するアルゴリズムに話を展開する。セッションの最後には実際の描画結果を紹介すると同時に、提案手法が今日のグラフィックス・ハードウェアを用いた場合にどれほどのパフォーマンスを発揮するかについて解説する。


講演資料

  • CEDEC2019_slides_公開用.pptx

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講演者プロフィール

久家 隆宏

久家 隆宏
所属 : 早稲田大学
部署 : 先進理工学研究科 森島研究室
役職 : 修士一年生

昨年に早稲田大学応用物理学科を卒業し、それに際して早稲田応用物理会賞・飯野賞を受賞致しました。現在は同大学の森島研究室に修士一年生として在学中です。ゲームなどのリアルタイムアプリケーションでの写実的な表現に興味を持ち、学部四年生のときにコンピュータ・グラフィックス分野の勉強を始めました。

《講演者からのメッセージ》
本セッションでは炎や煙の映り込みに関する新たな表現技術を紹介いたしますが、広く一般の方々にもご聴講頂けますようにCG合成に関する基礎的な知識の解説も織り交ぜながら発表を行います。また、ご不明な点がありましたら質疑の時間や発表後に気兼ねなくご質問頂けると幸いです。英語での対応も可能でありますので日本語に苦手意識のある方も是非とも奮ってご参加いただけると光栄です。

谷田川 達也

谷田川 達也
所属 : 東京大学
部署 : 大学院工学系研究科
役職 : 助教

2015年に東京大学大学院総合文化研究科にて博士課程を修了、同研究科にて博士研究員を1年務めたのち、2016年より早稲田大学先進理工学研究科にて日本学術振興会特別研究員(PD)、2019年より現職。学術的な研究だけでなく実際の映像制作現場でも広く使える技術を目指し、昨年からCEDECでも講演を行っている。

《講演者からのメッセージ》
半透明材質や関与媒質に関する物理パラメータ計測や実時間レンダリングに関する技術に興味をもって日々研究しております。皆さまにご興味を持っていただけましたら幸いです。

森島 繁生

森島 繁生
所属 : WASEDA UNIVERSITY
部署 : 理工学術院総合研究科
役職 : 教授

1959年生まれ. 1987年東大・工・大学院電子工学専門課程博士修了, 工博. 1987-2004年,成蹊大学工・電気電子工学科, 2004年より早稲田大学先進理工学部応用物理学科教授, 現在に至る. 1994-1995年 トロント大学コンピュータサイエンス学部客員教授, 1999-2010年国際電気通信基礎技術研究所客員研究員. 2010-2014年NICT招聘研究員, 現在,早稲田大学理工学研究所において安全、安心な社会を実現し豊かな文化を創造するコンテンツ・映像処理技術研究プロジェクトを推進.コンピュータグラフィックス, コンピュータビジョン, 音声情報処理, ヒューマンコンピュータインタラクション, 感性情報処理の研究に従事. 1991年電子情報通信学会業績賞受賞, 2010年電気通信普及財団テレコムシステム技術賞受賞. 2019年情報処理学会インタラクション論文賞受賞.画像電子学会ビジュアルコンピューティング研究会委員長, 画像電子学会フェロー, 日本顔学会理事. ACM Virtual Reality Software and Technology 2018 General Chair. SIGGRAPH ASIA 2015 Workshop and co-located event Chair, 2018 VR/AR Adviser.

《講演者からのメッセージ》
煙や炎などの映り込みをフェイクではなく正確に数学的にシミュレーション表現する大域照明モデルでありながら、計算の効率化の工夫によってリアルタイムでの描画を可能としました。その発想のエッセンスを実感頂ければ幸いです。