このセッションでは、アニメ『プリキュア』『ポケットモンスター』からゲーム『ガンパレード・マーチ』『プリンセスコネクト!Re:Dive』まで幅広く作品を手掛ける作曲家の多田彰文氏をお招きします。数多くの劇伴作曲にとどまらず、主題歌の作曲・編曲、さらには管弦楽器演奏における指揮者としても活動を重ねる多田氏。本講義ではそれぞれの案件に対する積極的なアプローチとコミュニケーション術を、現在進行中の案件当事者でもある制作プロデューサー・水口盛道氏のご協力のもと、制作現場を再現すべく、やりとりから作曲の実際を華麗に披露致します。25年以上にもわたり音楽制作現場を走り続ける中で、常に時代の動向を読み取りスタイルを変化させながら対応してきた多田氏の、作曲だけでなく製作者の視点も併せ持つ提案術なども発信していきます。
講演者プロフィール
多田彰文
作・編曲を手使海ユトロ氏、指揮法を大澤健一氏に師事。日本大学文理学部在学中より音楽活動を開始。
茅原実里・中川翔子など歌手・アーティストのサウンドプロデュース・編曲などを手がける。アニメーションでは「魔法つかいプリキュア!」ED主題歌作曲をはじめとするプリキュアシリーズを編曲。劇場版では「ポケットモンスター」「クレヨンしんちゃん」などの背景音楽を作曲。ゲームでは「ガンパレードマーチ」「爆・ボンバーマン64」などを作曲。また、Youtube動画再生が500万回を突破、新海誠監督の Z会CM「クロスロード」では編曲のほか作詞をも手がける。作曲のみならず様々な楽器の演奏・指揮者・司会者までもこなす。
《講演者からのメッセージ》
第21回目となり、歴史ある国内最大規模の技術カンファレンス「CEDEC 2019」の場での講演にお招きいただき、大変光栄に感じております。日々の案件においてクライアント様・ユーザー様・リスナー様に対し何を汲み取り、意識をし楽曲を創りあげていくべきであるかを、私自身の経験をもとにお伝えしたいと思っております。クリエイター様だけでなくクライアント様にとっても、作曲家とのコミュニケーション手法のお役に立てたならこの上ない喜びでございます。どうぞよろしくお願い致します。
水口 盛道
ヒューアンドミント株式会社 代表取締役。コミック、アニメなどを原作とした2.5次元舞台やアプリなどのクロスメディア化事業、声優・俳優プロダクションなどの事業を手掛ける。
プロデューサーとして企画、制作する「Re:Union(リユニオン)」では従来のミュージカル、演劇、リーディングライブ等とも違う新たなエンタテインメントとして「リーディング&ライブ」を生み出した。
国内外の企業、自治体等と連携し、一過性のムーヴメントではなくジャンルとしての確立を目指す。
《講演者からのメッセージ》
楽曲制作をお願いするにあたり、作品テーマやシリーズ全体のブランディングなどを意識しつつ、どの様なルートを経てイメージがひとつの曲へと形作られてゆくのかを、制作側の視点からお話しできればと思っております。
私どもの一例がクリエイターの皆さまの一助となりましたら幸いです。