ワールドワイドに向けたAAAタイトルに必要なゲームオーディオ制作技術について、Cygamesでの研究成果と取り組み事例を紹介します。まず研究成果として、1つの音源の複数地点でのIRをサンプル化し、距離減衰・遮蔽に用いる手法を紹介。これらの調整は制作者の経験への依存が多く属人化する傾向がありますが、本手法により属人性を減らし高い品質を保つことが可能です。次に取り組み事例として、世界に発信できる楽曲の制作における楽器収録・TDでの課題と解決案を紹介。命が宿り独特のテクスチャをもった楽曲を生み出す取り組みです。さらに、従来方法の欠点を解消したダイナミクス制御、特殊奏法の楽譜の書き方と実際に録れる音、などのTipsも紹介します。
講演者プロフィール
牧村 亮治
1998年,大手ゲーム開発会社に入社。おもにコンシューマーゲームの効果音制作業務に従事し、数々のタイトルの制作を担当。
2014年,ダイエットが高じてフルマラソン・トレイルランニング・筋トレと、活動的な習慣を持つに至る。
2017年,株式会社Cygamesに入社。引き続きサウンドデザイナー/オーディオディレクターとしてゲームオーディオ制作業務全般に従事。当プロジェクトにおいてもオーディオディレクションを担当。
2018年,念願のULTRA-TRAIL Mt.FUJI(168kmのトレイルランニングレース)を完走。
《講演者からのメッセージ》
課題を実現するために考えること、その考えや結果をみなで共有すること、そういった活動にようやく自分も参加できることに感謝いたします。みなさまの制作の一助となれば幸いです。
安井 裕一
2010年,大手ゲーム開発会社に入社。AAAコンシューマーゲームやアミューズメントゲームのサウンドデザイン、およびネットラジオの編集に従事。
2017年,株式会社Cygamesに入社。複数のコンシューマータイトルのサウンドデザインやサウンドデータの制作を担当。
2018年,ロンドンでクラフトビール巡りを実施。
2019年,ポートランドでクラフトビール巡りを敢行。
《講演者からのメッセージ》
今回は、近年話題のアンビソニックスやレイトレーシングとは異なる方向性から空間の音作りの手法をご提案いたします。
特に距離減衰や遮蔽のリアリティを追求する方は、是非この講演にお越し下さい!
久保 早瑠菜
2011年、留学先アメリカ西海岸にてアメリカ縦断ロードトリップを決行し、野生グリズリーベアがウロつく公園での車中泊と雷雨のテント泊を経験。人生意外となんとかなることを覚える。
2013年、大手ゲーム開発会社に入社。モバイルやコンシューマーゲームの音楽制作を担当。
2018年、株式会社Cygamesに合流し、本プロジェクトの音楽制作を行う傍ら、同9月にはPenka Kouneva氏と池頼広氏をお迎えして業界を超えたサウンド制作者向けイベントを開催した。
2019年、GDCにてスウェーデンの友達と物々交換、念願のリアル角笛をゲット。民族楽器コレクションを増加中。
《講演者からのメッセージ》
海外の現場について、様々な初めての経験を通して私が感じたことや空気感を精一杯お伝えできればと思います。
何かみなさまの「気づき」のきっかけとなれば幸いです。