AES(Audio Engineering Society Inc.)は、米国ニューヨークに本部を置き、世界各地に支部を有するオーディオ技術者、研究者など専門家の団体で、オーディオに関する唯一の国際組織です。AESのゲームオーディオに関する技術委員会は2003年に立ち上げられ、クオリティの向上や評価、インタラクティブなオーディオシステム、ゲームオーディオに応用可能な技術や知識についての議論が行われております。本講演では、「イマーシブオーディオ」をキーワードに、これまでにAESで発表されたゲームオーディオに活かせる技術や知識、またイマーシブオーディオの最先端情報、特にヨーロッパの動向や先端技術同士のコラボレーション(WFSとAmbisonics技術のコラボ)などについてお届けします。プロオーディオの視点から、これからのゲームオーディオに役立つ知見を得ることができます。
※本招待セッションは、AES(Audio Engineering Society)とのコラボレーション企画セッションとなります。
・AES (Audio Engineering Society)公式サイト:http://www.aes.org/
・AES日本支部の公式サイト:http://aes-japan.org/
講演者プロフィール
染谷 和孝
1963年東京生まれ。東京工学院専門学校卒業後、(株)ビクター青山スタジオ、(株)IMAGICA、(株)イメージスタジオ109、ソニーPCL株式会社を経て、2007年(株)ダイマジックのスタジオ設立に参加。2014年より有限会社 ビー・ブルーに所属を移し、サウンドデザイナー/リレコーディングミキサーとして活動中。2006年よりAES(オーディオ・エンジニアリング・ソサエティー)「Audio for Games部門」のバイスチェアーを務める。また、2016年9月よりAES日本支部 教育理事を担当。
《講演者からのメッセージ》
AES(Audio Engineering Society Inc.)の活動やメリットを皆さんにお伝えできればと思います。
濱﨑 公男
1982年九州芸術工科大学大学院芸術工学研究科情報伝達専攻修了後、音楽録音、オーディオ技術の研究開発、オーディオおよび音響関連の教育、オーディオ関連の国際標準化など、音一筋で現在に至る。研究開発した技術で国際的に広く利用されているものには、サラウンド収音方式のHamasaki-Square、3Dオーディオ方式の22.2マルチチャンネル音響システムなどがある。近年は、イマーシブオーディオの発展と普及に尽力しており、イマーシブオーディオの収音方式としてHamasaki-Cubeを国際学会にて発表したほか、イマーシブオーディオによるクラシック音楽の録音も多数行なっている。日本放送協会、バイエルン放送協会、AES副会長などを経て、現在はオーディオ技術コンサルティングを主事業とするARTSRIDGE LLC代表。AES Technical CommitteeのBroadcast & Online Delivery部会Co-Chair、Recording Technology & Practices部会Vice Chair。AESフェロー。
《講演者からのメッセージ》
私たちが聞いている音そのままを収音・制作・再生しようというイマーシブオーディオは、ゲームでも重要な技術だと思います。AESはこのイマーシブオーディオに関する最新研究開発成果の発表の場となっています。AESにさらに多くのゲームオーディオ関係の皆様が参画していただけることを期待しています。
岸 智也
株式会社カプコン サウンドプロダクション室 室長。2001年、カプコンにサウンドデザイナーとして入社。サウンドディレクターとして従事した『ロストプラネット』シリーズや『ドラゴンズドグマ』では、海外の音響制作会社とのコラボレーションを積極的に進め、ゲームオーディオに新たな制作ワークフローを持ち込んだ。制作と並行して産学連携によるインタラクティブリバーブや3Dオーディオの研究開発にも携わり、CEDECはじめ、GDC、AES、音響学会等、国内外で登壇を行う。2012年よりマネジメント業務に移行し、"世界一クリエイティブな職場環境作り"を日々模索している。
《講演者からのメッセージ》
このセッションではモデレータとして登壇します。AESが、どのようなメリットをゲームオーディオにもたらすのかを、お二方に詳しく伺いたいと思います!私の実体験も少し紹介させて頂けたら幸いです。