「エースコンバット7」では”空の革新”として、従来の空戦環境の再定義を図りました。そこで新たに実装されたビジュアル的にもゲーム体験としても大きな飛躍を生んだ「戦場に存在する質量感のある雲」の表現は、UE4とミドルウェア「TrueSky」によって実現されたものです。
リアリスティックな環境描写を見た目だけでなくゲームコンセプトにしっかりと組み込むべく、開発チームでは様々な取り組みが行われました。今回はゲームデザインに直結する「雲」の定義づけの過程と、実際の「TrueSky」での設定作業を通じて得た知見についてお話させていただきます。
講演者プロフィール
菅野 昌人
1994年に株式会社ナムコ(現:株式会社バンダイナムコスタジオ)に入社。
「エースコンバット」シリーズ初期よりアーティストとして参加。主に地形や空などの環境製作を行いつつ、メカデザインや世界設定の立案を担当。
最新作の「エースコンバット7」ではアートディレクターを務めつつ、ライティング及びTrueskyの設定作業を担当。
《講演者からのメッセージ》
ビデオゲームにおける「空」という題材は普遍的なテーマでありつつ、時代毎に描画手法やゲームでの定義づけが変わってきました。今世代における大気散乱やボリューメトリッククラウドといった描画技術がもたらす効果は劇的であり、アーティストは空間演出への活用のし甲斐があります。
今回は「エースコンバット7」の開発で行われた「空」の定義づけの過程と、実際の「Truesky」での設定作業を通じて得た経験についてお話させていただき、皆様の環境製作のヒントとなれば幸いです。