本セッションでは、アラフィフエンジニアの人生を充実させる方法の一つとして社外での活動、特に地域活動への参加を提案します。
具体例として、講師が参画しているプログラミング教室「カマクラビットラボ」の活動事例を紹介します。
また、小学生向けのプログラミング教育の楽しさ、難しさをお伝えしつつ、2020年の必修化に向けてプログラミング教育はどうあるべきか、ゲーム業界がどのように関わるべきかについて考察します。
先日、大手IT企業のリストラのニュースが話題になりました。45歳以上の社員の希望退職者募集。
私自身45歳。色々考えるところがあり、ちょっと調べてみました。
「ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査 2018」によると、45歳以上のゲーム業界人は全体の12.9%。40歳以上まで拡大すると28.4%に上ります。
なんと5年後には、ゲーム業界全体の1/4以上が45歳以上になるのです。エンジニアも例外ではありません。
この世代の人たちはどんな気持ちを抱いているのでしょう。
仕事にマンネリ感を抱いている人、後進に道を譲った人、コードを書く仕事から離れて物足りなさを感じている人、少なからずいるんじゃないでしょうか?
やる気はあっても貢献の場が限られている人もいるかもしれません。
かといって、転職するにしても年齢的に厳しく、リスクもあります。
私は、こんな感じの「すごく困っているわけじゃないけど、何となくもやもやしているアラフィフエンジニア」が今後増えるのではないかと考えています。
このもやもやを晴らすため、我々自身で出来ることとは何でしょうか。
本セッションでは一つの例として、地域のプログラミング教室でのボランティアを提案します。
2020年のプログラミング必修化に向けて、我々アラフィフエンジニアの需要は間違いなく高まっていると感じています。
このセッションで、一人でも多くのアラフィフエンジニアの皆さんに地域貢献やプログラミング教育の良さを伝えたいと思います。
また、各自がアラフィフクライシスの問題を考え、議論し、行動するきっかけになってほしいと思います。
講演者プロフィール
志磨 雅則
1974年生まれ。エンジニア。
鎌倉市在住。2児(小2娘、3歳息子)の父。
1997年(株)ナムコにTEC(プログラマ寄りテクニカルアーティスト)として入社後、ワールドキックス(業務用サッカーゲーム)、エースコンバット5、6などのタイトル開発、DCCツールサポートや新規事業系の部署を経て現在はファーストパーティやミドルウェアのサポート全般を担当。
過去の講演:「海外スタジオ立ち上げサポート事例」(CEDEC2014)
町内会の役員、子育て、テレワークなどがきっかけで地域貢献に興味を持ち、プログラミング知識を生かせる場を探していたところ知人の紹介で地元のプログラミング教室「カマクラビットラボ」に出会う。
カマクラビットラボでは、主に講師やTAを担当。活動はすべてボランティアで行っている。
《講演者からのメッセージ》
★アラフィフエンジニアの皆さん。
今こそ我々の出番です。
世間のプログラミング教育への関心は大いに高まっています。我々には強烈なバリューがあります。
今回はプログラミング経験を活かせる社会貢献の事例をお伝えします。
★「ロスジェネ」「団塊ジュニア」の皆さん。
何かを始めるのに遅すぎるということはありません。
リスクを冒さず、お金をかけず、守りに入りつつチャレンジでき、満足感が得られる方法を一緒に考えましょう。
★プログラミング教育に興味のある皆さん。
子供にプログラミングを教えるのは楽しいです。教える側にも学びや発見がたくさんあります。
プログラムが思い通りに動いたときに喜んでいる姿を見ると、こちらもうれしくなります。
思いもよらぬ発想で感心させられることもしばしばです。
このような楽しさ、すばらしさをお伝えしたいと思います。