弊社の様々なタイトルで利用されている補助骨システム KineDriver の最新の開発の取り組みを紹介します。本システムは10年の歴史を持ち、前世代から今世代のコンソール向けタイトルで利用されてきました。第3世代となる現バージョンでは次世代開発を見据え、自由なノードグラフの導入、独自の軽量エクスプレッション言語、RBF補間ノードの追加など様々な機能強化がなされました。任意のデフォーメーションサンプルを学習して補助骨を自動生成させることも出来ます。
本セッションでは、オーサリング環境として Maya と、代表的なランタイム実装として Unreal Engine 4 を取り上げ、使用方法や実装の概要を説明します。
講演者プロフィール
佐々木 隆典
建築やエンジニアリング分野のCG制作業務などを経た後、1996年にスクウェアに入社。Final Fantasy シリーズなどでツール開発やCGムービー制作を担当。
2002年にコナミに入社。Enthusia でプログラマー、Metal Gear Solid 4 でキャラクタリグ開発担当。
2007年にスクウェア・エニックスに入社。技術部門で、DCCツール関連の社内サポート、プラグイン開発、キャラクタリグ開発などを担当。
CEDECなどでリグやツール開発の講演を意欲的に行っている。
《講演者からのメッセージ》
CEDEC2010の「リアルタイムリグ - DCCツールと実機で動作する補助関節のセットアップ」にて補助骨システムについて発表してから既に9年が経過しました。補助骨という考え方も浸透し珍しいものではなくなった今、私達はシステムをどう進化させてきたのか、現在どんなことに取り組んでいるのか。皆様のご参考になれば幸いです。
高木 啓太
子供の頃からプログラミングやCGに興味があり、専門学校でCGを学んだ後、
1998年にスクウェアに入社。CGムービー部門でツール制作やFINAL FANTASYシリーズなどのレコーディングを担当。
2001年からはシステム開発をする企業でプログラマとして働く。
2006年にスクウェア・エニックスに入社。
現在はテクノロジー推進部で、全社向けDCCプラグインの開発や配布環境の運用、KineDriverのMaya版UnrealEngine4版の開発などを担当。
CEDEC2012講演。
《講演者からのメッセージ》
KineDriverはスクウェア・エニックス社内で実績のある補助骨システムです。
佐々木のSoftimage版を元にTAチームでMaya版やMotionBuilder版の開発を行いました。
ゲームランタイム上での補助骨制御はモデルやアニメーション制御が複雑になるにつれその効果は増し需要も高まっていると思います。
現在は機能拡張の要望に答えるべく次期バージョンの開発を行っています。
そこで得られた知見を共有し少しでもみなさまのお役に立てて頂ければ幸いです。