『エースコンバット7』では、映像・サウンド・脚本・レベルデザインが一体となって物語をもりあげる演出を目指しました。しかし「プレイヤーの心をどう動かすか」は言語化しづらいことも多く、その方向性を関係者全員と共有し協業するのは簡単ではありません。
本講演の前半は、本作におけるナラティブディレクターの役割について糸見よりお話します。セクション間やプロジェクト内外での横断的な協力が必要になる場面で、「シーン構成表」や「ミッション・ストーリー」と呼ぶ資料を使ったことや、「プレビズ」を制作して演出全体のイメージを共有した事例を説明いたします。
後半は鬼頭が担当いたします。ゲーム中はプレイヤーの行動に応じて演出をコントロールしなければなりませんが、その実装をどのような手法と役割分担でおこなったのか、事例を示しながらお話ししたいと思います。
講演者プロフィール
鬼頭 雅英
旧ナムコに入社、現バンダイナムコスタジオ所属。『エースコンバット04』『エースコンバット7』で無線の台詞の執筆/実装を担当しました。アーケードゲーム『デッドストームパイレーツ(ディレクター、プロデューサー)』、コンシューマーゲーム『ブレイクダウン(シナリオ、イベント)』『アーバンレイン』などにも関わる。子供2人で合計2年の育休を取得しました。
《講演者からのメッセージ》
エースコンバットの事例を通じ、「ゲームにおける物語体験をどう作るか」について何らかのヒントとなるセッションになればと思っています。
糸見 功輔
エースコンバット7 ナラティブディレクター、兼バンダイナムコスタジオの映像・演出チームマネージャー。
エースコンバットは3よりシリーズに参加。エースコンバットZEROでアートディレクションと総合演出を担当。また、映像ディレクター、トレイラーディレクターとして複数のタイトルに参加。
《講演者からのメッセージ》
ストーリーが複雑に絡むゲームプレイ体験をどう作り上げていくのか。エースコンバットにおける演出構成の管理手法をお話しさせていただきます。ゲームデザイナーだけでなくビジュアルアーティストのみなさんにも参考になればと思います。