レイ・トレーシングを行うハードウェア、また、Intel® Embreeのような高度に最適化されたライブラリの登場によって、誰でも簡単に高速なレイ・トレーシングを利用できるようになりました。これらはもちろん中身を知らずに用いることができますが、最大限パフォーマンスを引き出すためにはどういった技術が使われているかを理解しておくことが重要です。さらに仕組みを理解しておくことで、どうしてこのAPI関数を呼ばなければならないのか?といった疑問も解消されるでしょう。
このセッションでは改めて、レイ・トレーシングではどのようなデータ構造が利用されるのか、また、高速化のために近年どういった手法が提案されているのか、最新の研究動向を交えながら解説します。
講演者プロフィール
大垣 真二
ゲーム会社、国内外の映像制作会社、ソフトウェア開発会社を経て、現在はファッションテック企業で勤務。
過去のCEDECでの講演:
2009 Natural Expressionへの挑戦
2010 CUDAではじめるレイ・トレーシング
2016 わかりやすいプロシージャラル・シェーダのはなし
《講演者からのメッセージ》
レイ・トレーシングはハードウェアにより高速に行うことができるようになったため、使われている技術を学んだり、研究したりする人が将来減ってしまうことが危ぶまれます。
このセッションでは現在レイ・トレーシングを高速化するために用いられるデータ構造に触れ、その面白さを伝えたいと思います。
少しでも多くの人に興味を持ってもらい、現在主流となっているBVHにとって代わるようなデータ構造、またはさらに効率的なレイ・トレーシング専用のハードウェアが将来日本から生まれることを期待します。