本セッションではTCGの長期運用においてバランシングの効率化・適正化を機械学習を活用してサポートするための弊社の取り組みについて、御紹介致します。前半では長期運用を踏まえたバランス構築に求められる目線と、バランシングコスト抑制の必要性について述べます。後半ではバランシングのコスト抑制のための具体的な手法について述べます。データ分析とディープラーニングを活用し、機能リリース後のバランスの状態監視の機械化、人的な見積もり精度の向上のサポート、機能リリース前のバランス異常の検知を行うための手法について紹介致します。本手法はドラゴンボールZブッチギリマッチをはじめとしたタイトルの開発で導入されており、具体例とともに実運用における要点を開示致します。
講演者プロフィール
高橋 麗菜
『ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ』の他、多くの集英社IPスマートフォンタイトルのプロデュースに携わる。
《講演者からのメッセージ》
対戦型カードゲームのバランシングは非常に難しく、参入難易度も高めですが、今回導入した手法をご紹介することで企画してみようかな、遊んでみようかな、とご興味を持っていただけたら幸いです。
佐藤 勝彦
京都大学にてキリスト教学を専攻。大学中退後、株式会社フロム・ソフトウェア、
株式会社CygamesにてタイトルのAI開発および技術研究に従事。
ゲームxAIを軸足に開発ノウハウの共有促進に努める。
2017年より株式会社ドリコムに合流、現在はenza事業本部にてタイトル開発運用のディレクションを担当。
《講演者からのメッセージ》
大量のカードを継続的に提供する必要のある対戦型のカードゲームにおいては、運用の長期化に伴って加速度的にバランシングの難度および運用負荷が増していきます。ユーザーの皆様により長く対戦の醍醐味を楽しんで頂く上で、人的・機械的の両面から運用品質を担保する枠組みを取り入れることは非常に有益です。本セッションが、より良いコンテンツの開発に少しでも貢献できるのであれば幸いです。
永多 慧
東京農工大学大学院修士課程情報工学専攻修了。2016年から株式会社DRECOMに所属。
スマートフォンゲームの分析業務を主に行い、「ワンピーストレジャークルーズ」、「WORLD OF FINAL FANTASY メリメロ」を担当した後、現在は「ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ」を担当。
《講演者からのメッセージ》
TCGでの膨大な情報量を可視化するために機械学習を使って情報の集約をしています。
ゲームにおける機械学習の活用に興味のある方、ゲームに関わらず日々の業務の可視化をしたい方、少しでも興味がありましたらお気軽にご参加ください。