本セッションでは、高度化していくゲームグラフィックスの実装を担うプログラマの社内教育の事例と受講者の方との議論を行います。
2018年現在、Direct3D12、Vulkan、Metal(…コンソールゲーム機のAPI)といったコマンドキュー、コマンドリスト型のAPIが使われるようになってきました。インハウスエンジンで開発するチームであれば、
こうしたAPIを直接利用することがありますし、サードパーティー製ゲームエンジンの場合は、こうしたAPIの上で動くエンジンで開発を行うことかと思います。
インハウス、サードパーティーのエンジンどちらの開発者でも、以下のような技術を持ったエンジニアがチームに必要だと考えます。
・エンジンの標準機能に無いグラフィックス機能の追加やカスタマイズ
・TA、ビジュアルアーティストとゲームのパイプラインの構築
・グラフィックス処理のパフォーマンスチューニング
こうした人材は学校教育の中だけで育てるのは難しいこともあり、バンダイナムコスタジオでは2016~2017年に新人や若手の育成のためのグラフィックス教育のための「グラフィックスプログラマBootcamp」というカリキュラムを検討し、実施しました。
このプログラムでは、10営業日のDirect3D12をベースにコマンドキュー、コマンドリスト型グラフィックスAPI、Compute Shader時代の描画テクニック、GPUプロファイラの習得ができるように座学と実装を行う
というものになっています。
このセッションでは、質疑の時間を少し長めに取りたいと考えています。会社内でグラフィックスプログラマの育成を考えている方や、ゲームプログラマを育成する教育関係者などと議論や意見交換ができればと思います。
講演者プロフィール
髙橋 誠史
1980年生まれ、北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科博士後期課程単位取得退学。2009年、株式会社バンダイナムコゲームス入社。2012年度より、株式会社バンダイナムコスタジオ所属。
バンダイナムコゲームス時代は、エースコンバット アサルト・ホライゾンの開発に参加とテクニカルアーティスト部署に所属。
バンダイナムコスタジオに移ってからは社内ライブラリの開発チームでライブラリの開発やグラフィックスR&Dに従事したあとは、GPU技術、VR/MRのような新規技術開拓部署を経て、今年はAIとその他エンターテイメント向け先端技術のR&Dをメンバーを集めた新規部署で活動中。バンダイナムコスタジオのオリジナルキャラクター「ミライ小町」のテクニカルディレクションなども担当。
《講演者からのメッセージ》
開発会社でグラフィックスプログラマの育成に悩まれてる方や学校教育でゲームプログラマを育成しているような方、グラフィックスプログラマを志望する学生の方などぜひお越しください。少し質疑に余裕を取りますので議論などもできたらと思います。