2017年はアニメ生誕100周年にあたる記念すべき年です.1990年代後半から進んだアニメ制作のデジタル化は,急速に普及,発展してきました.特にここ数年では,アニメの特性を十分に生かした3DCGによるデジタルアニメ制作や,デジタル作画技術を活用したフルデジタルのパイプラインの構築など,新たな局面に差し掛かっています.
本セッションでは,先進する3社のプロデューサーをパネラーに招き,それぞれのスタジオで進める最新の制作事例についてご紹介します.その上で,これから先の未来のデジタルアニメ制作手法について,様々な視点から議論していきます.
講演者プロフィール
三上 浩司
経歴:
1995年慶應義塾大学環境情報学部卒.日商岩井株式会社メディア事業部にて,オンラインゲームサービス「XBAND」をはじめ新規事業立ち上げに従事.1997年に株式会社エムケイにてプロデューサとして,3部作にわたるゲーム(未発表)の開発を担当.1998年にJCGLの創設者である金子満氏とともに東京工科大学片柳研究所に「クリエイティブ・ラボ」を設立.博士(政策・メディア,2008慶応義塾大学)
主な著書
「映像ミザンセーヌの黄金則 -ヒットする映画の作り方-」,「ディジタルアニメマニュアル2009」,「ディジタル映像表現」,「アニメ学」,「コンテンツクリエーション」,「CGとゲームの技術」ほか多数
過去のCEDEC講演
「Global Game Jamへの誘い -48時間ゲーム開発プロジェクト参加報告-」2010,「産学連携による高等教育機関におけるゲーム人材の育成と先端研究」2007, 「ペラコン表彰式」2011,2012,2013,2014,2015,2016ほか多数
《講演者からのメッセージ》
東京工科大学では,次世代の映像制作手法の研究開発とアニメーション制作のディジタル化支援を行ってきました.2004年より,他大学に先んじて4年制大学においてゲーム開発教育を開始.ゲーム開発教育やGlobal Game Jamなどを紹介することが多くあります.大学,大学院の学生とともにゲームのグラフィック表現やゲームデザインにかかわる研究も進めています.
宇田 英男
経歴:
1978年生まれ。大学卒業後、大手電機メーカーに就職。その後アニメ制作会社2社で管理を経験し、 2011年にスタジオコロリドを起業。2014年にツインエンジン、 2015年にジェノスタジオそれぞれの設立に参画。 若手の人材育成とアニメーションの制作現場における環境の向上を目標に企業活動を行う。
《講演者からのメッセージ》
現在日本のアニメーション業界では急速にデジタル化が進んでいます。日本の伝統的な手描きのアニメーション手法に加えて、デジタル技術を活用した形での新たなアニメーションワークフローを業界では模索しています。今回登壇の会社は業界でもいち早くデジタル化に取り組んでいる会社となりますのでその最前線を紹介します。
加藤 浩幸
経歴:
アニメーションプロデューサーとして、ポケットモンスターシリーズ。
プロデューサーとして、ピカイア!を担当。
2015年より、ToonBoomによるデジタル作画のワークフローの構築に従事。
現在は、社内でOJTによるデジタル作画導入を進行中。
《講演者からのメッセージ》
デジタル作画でのアニメーション制作フローについて、弊社の取り組みをお話しできればと思います。
平澤 直
経歴:
㈱ウルトラスーパーピクチャーズ所属。主にCGアニメスタジオ「サンジゲン」の企画開発とプロデュースを担当。
代表的なプロデュース作品は「猫がくれたまぁるいしあわせ」「ID-0」「ブブキ・ブランキ」「モンスターストライク」「ウルトラスーパーアニメタイム」など。
前職 Production I.G時代には、「翠星のガルガンティア」「ブレイク ブレイド」「輪廻のラグランジェ」などのプロデュースを手がける。
Twitter : @naohirasawa0617
《講演者からのメッセージ》
クリエイション・ビジネスの両面において20年ぶりとも言われる巨大な変化を迎えつつあるアニメ業界。
今回はクリエイションの変化の中心である「デジタル化」についてお話いたします。
アニメ制作に関する知識は必要ありません。
あくまで基礎から最新事例までをお話できればと思います。