映像制作パイプラインの構築に関しては、市販サービスの導入から独自ツールの開発まで様々な取り組みがされている。しかし、制作リソースの制限が厳しい中小企業ではパイプライン構築のための試行錯誤が充分にできない事も多く、それぞれの制作現場に最適化していく事が容易ではない。本セッションはUnreal Engine 4/Unityを用いたライブ興行における制作の取り組みを通して、Slack/Jenkins等の既存サービスを組み合わせてパイプラインを構築し、中小3DCGプロダクションでのパイプライン構築事例の紹介を行う。
講演者プロフィール
北田 能士
経歴:
2003年、CGプロダクション、株式会社フレイム設立。
2013年、企画制作プロダクション、株式会社冬寂設立。
主にコンシューマゲームのリアルタイム3DCGデータ制作をしつつ、平行して講師業も行う。
<制作参加事例>
2016年、SXSW、DCExpoにてMotionScoreを展示、冨田勲×初音ミク『ドクター・コッペリウス』
2016年、劇場版SAO公開記念「AR LIVE Technotopia SAO × “Wizard” Yoichi Ochiai」
《講演者からのメッセージ》
コンシューマゲームの3DCG制作を色々とやって来たので、データだけでは無くゲーム自体を作りたいと思い、会社でプログラマーと一緒に自主企画のゲームを作っていたつもりが、気付けば受託のアプリや、自社の映像制作パイプラインツールを作っていました。
slack/jenkins/google spread sheetなど、一般的な管理・コミュニケーションツールをパイプラインに取り入れる事で、少人数でも無理なく内製でツール開発を行い、作業の効率化を計る事例をご紹介できればと思います。
飯田聡
経歴:
2013年 CEDEC2013 インタラクティブセッション展示
2014年 大阪電気通信大学大学院 総合情報学研究科 デジタルゲーム学専攻 卒業
2014年 株式会社フレイム 入社
SlackとWebとJenkinsとGoogle Spreadsheetを使用したパイプライン開発を行う
DCCツール、Unity、Unreal Engine 4のプラグン開発を行いモーションキャプチャーの効率化を図る
<参加事例>
2016年 SXSW、DCExpoにてMotionScoreを展示、冨田勲×初音ミク『ドクター・コッペリウス』
2016年 劇場版SAO公開記念「AR LIVE Technotopia SAO × “Wizard” Yoichi Ochiai」
《講演者からのメッセージ》
入社前では3DCGのことはほとんど知りませんでした。
プログラマーの仕事をしながら3DCGの勉強も進めているうちにプリレンダー・リアルタイムレンダリングのパイプライン構築を行うことになりました。
その中で、3DCGデータそのもののエラー対処やゲームエンジン特有の対応をもとの作業者にお願いする中で作業現場の問題も多く知りました。
SlackやJenkinsを使用しレンダリングの開始・エラー・ログ・結果の報告を自動で行うことで少人数でも作業の効率化をはかることができました。
いくつかの課題は残っていますが、その途中経過を紹介できればと思います。
岩間達也
経歴:
2006年 金沢美術工芸大学 日本画専攻卒業
2006年~2012 AINet Technorogyでプログラマとして航空管制システムのシミュレーター開発に従事
2013年 退社後、「電子工作部」でフリーランス活動開始
デジタルハリウッド大学院で知り合ったフレイム 北田 能士氏からUnityのアプリ開発を依頼されてから、同社で3DCGのパイプライン構築やモーションキャプチャーのワークフローツールの開発を行う
2016年 SXSW、DCExpoにてMotionScoreを展示、Unreal Engineでプログラムを教える講師を始める
《講演者からのメッセージ》
フリーランスになるつもりもなくハローワークに通っていた時に、北田氏にUnityアプリの開発を依頼されてから、3DCGのパイプラインプログラムを書くことになり4年が経ちました
3DCGのパイプラインプログラムを書いているうちに、3DCGの現場が抱えるデータ量・工程・使用するソフトウェアの多さや、意思疎通の祖語によるヒューマンエラーの多さも知りました
プログラムによる工程の自動化やコミュニケーションツールを取り込むことにより、問題解決やクオリティアップに繋がります
今回の事例が紹介されることで業界の発展につながるのではないでしょうか