障害物を乗り越えるアニメーションの制御手法とその応用

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日時:
2017年08月30日(水)16時30分〜17時30分
形式: レギュラーセッション
受講スキル:
状態遷移とブレンドツリーに基づくキャラクタアニメーションシステムの構造と動作に関する知識
受講者が得られるであろう知見:
アニメーションシステムをキャラクタの障害物乗り越え動作に対応させたくなったとき、どのようにシステムを拡張し、地形・障害物・アニメーションクリップ・アニメーショングラフに対してどういった情報を付加する必要があるかについて、技術的な見通しをつけることができるようになる。
セッションの内容

キャラクタの進路上にある障害物をスムーズな動きで乗り越えるパルクールやフリーランと呼ばれる動作は、近年のアクションゲームでは一般的なフィーチャーとなった。本セッションでは、ブレンドツリーと状態遷移に基づく現代的アニメーションシステムの一部としてこのような乗り越え動作を制御するモジュールを組み込む手法について、実例に即して解説を行う。また、岩石などの自然地形や多様な角度で配置される障害物に対して最小限のヒント情報を与え、これに基いて乗り越え動作を適応させるために動的に足場位置を検出する方法についても説明する。さらに、周囲の環境に対応した動作の再生にこの手法を適用し、乗り越え動作以外のアニメーションの制御へと応用した例についても示す。これらの手法は、FINAL FANTASY XV のキャラクタアニメーションシステムの一部として開発した。


講演資料

  • C17_53.pdf

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講演者プロフィール

川地 克明

川地 克明
所属 : 株式会社 スクウェア・エニックス
部署 : テクノロジー推進部
役職 : シニアアニメーションリサーチャー

経歴:
2011年より社内ゲームエンジン Luminous Studio の開発に従事。プロシージャルなキャラクタアニメーション生成に関する研究・開発を担当。

《講演者からのメッセージ》
障害物を飛び越えるようにアニメーションクリップの軌道を調整する処理は、難しい計算を必要としません。本セッションでは、処理に必要な入力情報を効率よく取得するために、この計算処理を周辺環境の状態に応じたクリップの切替・調整処理としてより一般的にとらえ、データ作成時とゲーム実行時に工夫した点をそれぞれ紹介します。

共同研究・開発者

Goodhue David( (株) スクウェア・エニックス)
青野孝悠( (株) スクウェア・エニックス)
小倉孝典( (株) スクウェア・エニックス)