本講演は、FINAL FANTASY XVにおいて、これまでゲームではあまり使われていなかったキャラクターの移動を制御するステアリングアルゴリズムを適用した事例を紹介します。
本手法ではAIの制御に、ナビゲーションメッシュから取得した環境からの制限、およびキャラクターのアニメーションデータから生成されたモーションのモデルから得られる運動制限を活用し、ステアリングのクオリティーを向上しています。
講演者プロフィール
グラヴォ ファビアン
経歴:
2004年フランス トゥールーズのPaul Sabatier大学からコンピュータ・サイエンスの博士号を取得。
2011年に株式会社スクウェア・エニックスに入社。FINAL FANTASY XIV: A Realm RebornとFINAL FANTASY XVでナビゲーションを担当する。
シニアAIリサーチャーとして「AI Game Pro」と「AI Game Pro 3」のチャプターも書きました。
《講演者からのメッセージ》
現在キャラクターAIやメタAIは一般的になりつつありますが、
今後はツールやQAのAIも徐々に増え、ゲーム内外にAIが広がっていきます。
自動プロセスが増加するにつれて、ゲームデザイナーはより意味のあるコンテンツをゲームに投入することができます。
下川和也
経歴:
2013年株式会社スクウェア・エニックス入社。
Luminous Studioのツール開発を経て、現在はFINAL FANTASY XVチームにてキャラクターAIの開発に従事。
主に仲間キャラクターのバトルや、2015年の講演(FINAL FANTASY XV -EPISODE DUSCAE- におけるキャラクターAIの意思決定システム)で紹介された「AIGraphEditor」の開発を担当。
《講演者からのメッセージ》
FINAL FANTASY XVには、人やモンスターなど大小様々なキャラクターが登場し、複雑な地形を動き回ります。
本講演では、FINAL FANTASY XVのキャラクターたちがどのような仕組みで移動制御されているのか、具体的な例を示しながら、詳しく説明いたします。