近年シェアを急激に伸ばしつつあるHDRテレビはフォトリアルCGの魅力をより引き出すデバイスです。
開発初期には、それほど難しくなく対応できるだろうと予想していたHDR対応ですが、
実際には、理想と現実のさまざまなギャップを乗り越える必要がありました。
GT SportにおけるHDRテレビ対応の、実験と挑戦の歴史を共有させていただきます。
講演者プロフィール
内村 創
経歴:
早稲田大学理工学部情報学科修士卒。新卒でポリフォニー・デジタルに入社。
GRANTURISMO5と6においてPS3のSPUを用いたムービーの高品質化処理やオクルージョンカリング等を担当。
GTSPORTでは色システム全般、特に塗装色計測システムと、Scapesの画像処理やPVSの事前計算などを担当。
カメラとレンズ、レイトレが好き。今年、二人目の子供が生まれました。
github : https://github.com/nikq/
《講演者からのメッセージ》
今回GTSPORTではマテリアルからレンダリングまで一環してHDR10に対応しました。
きちんとHDR出力された絵をはじめて見たときの感動を、今でも覚えています。
それはまるで、正しく度のあったメガネに架け替えたような、視力が良くなったような体験でした。
HDRはすべてのゲームビジュアルをより魅力的にしてくれる可能性がありますが、
ちゃんとグレーディングしないとヤバい絵を出してしまうことにもなりかねません。
弊社のHDRへの試みと実験の歴史が、皆さんのHDR対応の一助になれば幸いです。