Oculus Riftをはじめとした現在のVRヘッドセットは、自分がゲームの中に入り込んだような感覚を生み出します。しかし、自分の頭がゲームに入り込むと多くの人が次に意識するのは、自分の両手はどこにあるのか?という問題です。
Oculus Touchコントローラーは、プレイヤーの手の正確な位置姿勢、また指のジェスチャーを認識することにより、自分がコントローラーを持っているという意識を消しさり、自分の手と指がVR空間の中にそのまま存在するかのような感覚、「ハンドプレゼンス」を実現します。しかし、ハンドプレゼンスはゲーム側での適切なデザインおよび実装なしには成立しません。本講演では、Touchを使ったインタラクションのデザインを中心に、様々な事例を紹介しながらVRコンテンツをデザインするにあたっての指針を解説します。
セクション内容
講演者プロフィール
近藤 義仁
7歳からパソコンに触れ、プログラミングの楽しさに目覚める。コンシューマーゲームプログラマとしてPS1/PS2/Xboxのタイトル制作に関わり、レンダリングエンジン・モーションエンジンなどを開発。
2012年クラウドファンディング KickstarterでOculus Rift DK1に出会い、その可能性とインパクトから、日本にOculusを持って来る使命を感じ、VR界の小野妹子として複数回渡米。Oculus Japan Teamの立ち上げに関わる。現在は日本のVRコンテンツを世界へ発信すべく、技術サポートや開発者の支援を行う。
講演歴
・CEDEC 2014 / 2015
・TOKYO GAME SHOW フォーラム 2013 / 2014 / 2015
・UNITE JAPAN 2014 / 2016
・UNREAL FEST 2015 TOKYO
・Dev Summit 2014
・alive 2016 - Live2D
・黒川塾(21)
《講演者からのメッセージ》
VR体験はかつてゲームが2D(ドット)から3D(ポリゴン)に進化した時のようなワクワク感を感じました。皆さんともこのワクワク感と新しい体験を創り出す気持ちを共有したいと思います。
ぜひ一緒に日本ならではのVRコンテンツをつくっていきましょう!
井口健治
大学時代に研究室でAR技術を用いたエンターテイメントコンテンツを研究、卒業後はグリーにてモバイルゲーム「踊り子クリノッペ」「ハコニワ」の開発運用等を手がける。2012年夏にKickstarterにてOculus Riftの出資募集を発見して即刻飛び付き、VRコンテンツを各種開発。2014年に訪れたGDCやUnite Japan等にてOculusメンバーと邂逅し意気投合、Oculus日本チームの一員となる。現在はVRゲーム開発の支援やOculus Platformの普及に努めている。
《講演者からのメッセージ》
VRはこれまで以上にゲーム体験のあらゆる部分を作り上げることができるため、従来はありえなかった実在感のある世界を作ることができます。その一方、あらゆる部分を制御できるからこそ、気をつけなければならない点や、従来とは別の手法で作らなければならない様々な点などが存在します。今回は特にOculus Touchが持つ可能性や「ハンドプレゼンス」という概念、またその実現に必要なデザイン等についてお話できればと思います。本セッションが、皆様が新たなVRコンテンツを開発されるにあたっての参考となれば、またOculusの技術やプラットフォームを知って頂ける機会となれば幸いです。
日本の開発者には特に、他のどこでも見られない発想のVRコンテンツを作る力があると思っています。未来を作っていきましょう!