ゲームのプラットフォーム毎に、群衆AIはさまざまなクオリティとバリエーションを持ちながら発展して来た。今回はそれらの手法の発展をまとめて理論化すると共に、それぞれ実装の仕方を解説し、また、これからの群衆の作り方を解説する。さらに、パス検索や相互作用のアルゴリズムなどの「プロシージャル手法」と組み合わせることで、群衆を実現したデモを行う。結果をすぐに確認できる群衆開発イテレーションのメリット、プロシージャル手法による試行錯誤の容易さ、これらを組み合わせたことによる群衆の特徴と質の向上について紹介することで、聴講者がこの分野の実装の最先端に立てることを目的とする。
講演者プロフィール
多喜 建一
SideFX トロント本社において日本への Houdiniの営業・マーケティング・技術サポートなどを支援。2013年1月より現職。カナダトロント在住11年強。過去3年内に2度のレギュラーセッションと数度のスポンサーセッションの経験あり。遠い昔には、別ソフトの講演経験あり。
三宅 陽一郎
京都大学で数学を専攻、大阪大学(物理学修士)、東京大学工学系研究科博士課程(単位取得満期退学)。デジタルゲームにおける人工知能の開発・研究に従事。IGDA日本ゲームAI専門部会設立(チェア)、DiGRA JAPAN 理事、芸術科学会理事、人工知能学会編集委員。共著『デジタルゲームの教科書』『デジタルゲームの技術』 翻訳監修『ゲームプログラマのためのC++』『C++のためのAPIデザイン』(SBCr)『はじめてのゲームAI』(WEB+DB PRESS Vol.68、技術評論社)。ゲームAIラウンドテーブル・オン・ツイッターを主催。最新の論文は『デジタルゲームにおける人工知能技術の応用の現在』(人工知能学会誌 Vol.30, Webで公開)。論文、講演資料はブログを通じて公開している。「y_miyakeのゲームAI千夜一夜」http://blogAI.igda.jp
《講演者からのメッセージ》
今年は4つのセッションを行います。
(1)最新のゲームAI技術である、戦術位置解析のセッション。こちらは、CryEngine ではTPS、Unreal Engine 4では EQSと呼ばれる技術で、キャラクターの周囲にポイントを生成して、そこから戦術に応じて求める位置を残すようにフィルタリング、評価するシステムです。
(2)群衆の人工知能。こちらは最新の成果を織り込んだ実践的なデモを行います。
(3)「人狼知能」コンテストです。こちらは昨年も開催しましたが、今年は人工知能学会30周年を記念してCEDECとのコラボイベントとして開催いたします。「人狼」におけるAIを対戦するエキサイティングな大会です。是非、予選にも参加してください。「人狼知能」プロジェクト http://www.aiwolf.org/
(4)パネル「人工知能の未来へ」全脳アーキテクチャ、人工生命を先導する研究者を招待し、ゲーム産業との接点を見出します。よろしくお願いします。