ユークスではこれまでWWE 2KシリーズやUFC Undisputedシリーズなどキャラクターアニメーションに物理シミュレーション(HAVOK Physics)を活用したタイトルを多く製作してきました。WWE 2K15では、PS4・Xbox One向けにより自然で変化に富んだアニメーション表現を実現するべく、力学ベースのラグドール制御やFBIKなどに取り組みました。そしてWWE 2K16でも幾つかの改善を行いました。
本セッションでは、WWE 2K15から取り組んだ動的キャラクターアニメーションに関する取り組みについてご説明し、実際に開発するにあたって苦労したポイントなど多くお話ししたいと思います。
主なトピックとしては下記を予定しています。
・ラグドール制御の基本
・キネマティック(運動学)ベースのラグドール制御
・力学ベースのラグドール制御
・ポーズマッチングとキャラクターの状態遷移
・オリジナルFBIKによるモーションリターゲットと組み技の表現
・環境や凶器のフィジックス
講演者プロフィール
上野 浩樹
1998年 株式会社ユークス入社。現在まで多くの家庭用ゲームの開発にプログラマーとして携わりる。また多数の格闘ゲームを開発。2011年 YUKE'S LAへ出向。現在はR&Dに携わる。
代表作
・WWE 2Kシリーズ
・UFC Undisputedシリーズ
・レッスルキングダム
・The Dog Island
・Day of Reckoningシリーズ
・WrestleManiaシリーズ(Gamecube)
・ベルセルク 千年帝国の鷹篇 喪失花の章
過去の講演
・CEDEC 2015「WWE 2K15」におけるキャラクター表現とモデルパイプライン
・CEDEC 2012「クロスボーダー「AI×アニメーション」パネルディスカッション」
・CEDEC 2011「ユークスにおける物理シミュレーションとアニメーションの融合における取り組み」
・GDC 2010「The Next Generation of Fighting Games: Physics & Animation in UFC 2009 Undisputed」
《講演者からのメッセージ》
WWE 2K15以降取り組んできたアニメーション技術に関する取り組みについてお話させていただきます。
ユークスではこれまでにも物理エンジンのHAVOKをキャラクターに活用していました。今回トルクベースでのラグドール制御に挑戦してみて苦労した点も多かったですが、得られた事も大きかったと感じています。
キャラクターアニメーションに物理エンジンを使ってみたいと考えている方は是非受講いただければと思います。